長澤まさみ、ZQNとのバトルに思わず笑み『アイアムアヒーロー』撮影裏を激白
花沢健吾の人気コミックを実写化した映画『アイアムアヒーロー』撮影現場レポートの第3弾=ラストは、主人公の鈴木英雄(大泉洋)と一緒に、謎の感染で人間から変貌した凶暴な生命体ZQN(ゾキュン)と命を懸けて戦う、元看護師の藪にふんした長澤まさみにスポットを当ててお届け。一昨年7月の韓国ロケを全身全霊で戦っていた彼女の生の言葉が、映画の面白さを伝えてくれる。
閉鎖された韓国のアウトレットモールを富士山の裾野にあるそれに装飾し直した撮影現場を訪れて、最初に驚いたのは、戦闘服に身を包んだこれまでになく勇ましい長澤の姿だった。しかも朝、控室に入るなり、大泉にビックリするような大きな声で「おはようございます!」と言ってテンションを高めていて、それだけで彼女の本気モードが伝わってきた。
実際、撮影に入ってからも斧を片手にZQNに立ち向かっていくシーンなどに全力で挑み、肩で息をしている姿を何度も見掛けたが、ZQNから逃げるシーンでカメラに表情が映らないときは笑顔がこぼれているではないか。長澤は「だって、面白いんです。ZQNは怖いだけじゃなく、もともと人間だから人間らしいところもあるし、それがリアル過ぎて笑えるんです」と汗をぬぐいながら充実の笑顔を見せている。
「わたしが出会った映画好きの人は大抵ゾンビ好きなんですけど、今回の撮影でその理由が少しだけわかりました。ゾンビやZQNは人間味があるから、他のグロテスクなバケモノと違って親しみが持てる。この撮影でも韓国の俳優さんがZQNを楽しんでやっているから、ホラー映画は絶対に無理なわたしも、いいわ~と思いながら戦っています」。
現場では、メイクスタッフがつけたZQNの返り血だけでは満足できなくて、長澤が自ら自分の服や顔に血のりをつけている姿も目撃。本人は「外国での撮影は他の仕事が入ってこないし、役に集中できるから楽しい」と喜びを噛みしめる。その上で「わたしたちが最も大事にしなければいけないのは役に集中すること。いい映画を作ることが一番の宣伝だと思っているんです」と強調した。
そんな長澤は最後に、怖い映画が苦手な人に対しても「この作品には普通のホラー映画とは違うワクワクする面白さがある。アトラクションを楽しむように、笑いに行くような感覚で観てもらえば盛り上がると思います」ときっぱりと語っていた。(取材・文:イソガイマサト)
映画『アイアムアヒーロー』は4月23日より全国東宝系にて公開