独身者は人間失格?45日間でパートナーを見つけないと動物に…『ロブスター』本編映像
独身者は身柄を確保され、送られた先のホテルで45日以内にパートナーを見つけられなければ動物に姿を変えられ、森に放たれる……そんな恐ろしいルールが存在する世界を描いた映画『ロブスター』の本編映像が公開され、独身者は人間失格といわんばかりの狂気的なルールをホテルの支配人が主人公に伝えるシーンが披露された。
第68回カンヌ国際映画祭で審査員賞に輝いた本作は、独身でいることが許されない不条理な世界を舞台にしたディストピアムービー。ルールに基づき独り身になったデヴィッドもホテルに送られ、パートナーを探すことに。45日以内に相手を見つけられなければ、自身が選択した動物に変えられ、森に放たれてしまうという期限が迫る中、ホテルに充満する狂気に耐え切れずに独身者が暮らす森へと逃げ出し、恋に落ちたデヴィッド。しかし、それは森で暮らす独身者たちの“恋愛禁止”というルールに反することだった。
「ここで恋に落ちなければ動物になる」。公開された映像で、主人公デヴィッドにそう告げるのは、ホテルの管理人。彼女は続けて「でもそれは悲しいことじゃない 動物になっても伴侶は探せる その際に大事なのは自分に似たタイプの動物を選ぶこと オオカミとペンギンはダメ ラクダとカバもよ」とこの世界のルールを説く。
そして「失敗したらどんな動物に?」という彼女の冷酷な質問に、「ロブスターです」と淡々と答えるデヴィッドはその理由を説明する。「100年以上も生きられるし貴族みたいに由緒があって死ぬまで生殖能力がある 私は海が大好きだし水上スキーと水泳は10代の頃から得意です」。彼の言葉に「たいていの人は犬を選ぶから地球に犬が溢れている 人気のない動物は絶滅寸前よ ロブスターはいいわ」と支配人が返すシーンでは、部屋の隅に犬が座っており……。
デヴィッド役のコリン・ファレルは、これまでのイケメンなイメージから一転、太ったどんくさい中年男性を熱演。『ナイロビの蜂』のレイチェル・ワイズが近視の女、『アデル、ブルーは熱い色』のレア・セドゥが独身者たちのリーダー、『007 スペクター』のベン・ウィショーが足の悪い男を演じるなど、豪華俳優陣が個性的な役で登場する。メガホンを取ったのは『籠の中の乙女』などの鬼才ヨルゴス・ランティモス監督。(編集部・吉田唯)
映画『ロブスター』は3月5日より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて公開