嵐の”ニノ”と固い握手!『恋人たち』で新人賞獲得の”シノ”が感涙スピーチ!
映画『恋人たち』の橋口亮輔監督と、同作に主演した俳優の篠原篤が13日、文京シビックホールで行われた「第89回キネマ旬報ベスト・テン表彰式」に出席、現在まで続いている映画雑誌として世界一の歴史を誇る「キネマ旬報」が選出した同賞に感激の表情を見せた。また、“シノ”こと篠原は、主演男優賞を受賞した嵐の“ニノ”こと二宮和也と固い握手をする一幕もあった。
今年の「第89回キネマ旬報ベスト・テン」では、日本映画監督賞、日本映画脚本賞を橋口監督が、新人男優賞を篠原が獲得。「映画人だったら一回は取りたい賞」と切り出した橋口監督は、「低予算で、出演者の8割が無名。クランクインする前、この作品はベストワンが取れるような映画ではないけど、俳優には新人賞を取らせたいと思いました。このたび新人男優賞を篠原が取って、僕の役割は果たせたかな」と満足げな表情を見せた。
一方、同作で愛する妻が通り魔殺人事件で亡くなるというつらい過去にとらわれている主人公・アツシを演じた篠原は、「先日33歳になりました」とあいさつ。「自分で言うのもなんですが、僕にはお芝居の才能が何ひとつないなと思いながら、必死ではありましたが、うだつのあがらないまま20代が過ぎ。30歳を過ぎてもなかなかチャンスがなく。俳優を辞める才能もありませんでした。だから今日のような日は夢に思っていなかった。あきらめずに続けて良かった」と目に涙をうるませながらコメント。
本作の撮影が終わった後も、役が抜けなくて大変だったといい、「そんなに器用な方ではないので。一度作ったものが出て行かず。終了後、数ヶ月、布団にくるまっていましたが、仕事もしなければいけないですし、どうしようかなと思っていました。それから半年くらい過ぎた頃に(本作の)初号試写を見て、これで良かったのかもしれないと思いました。橋口さんがフィルムに閉じ込めてくれたものを観て、アツシという役から離れてもいいのかな」と述懐。さらにクライマックスのシーンの撮影後を振り返り、「監督が泣きながら抱きしめてくれました。その日のことは生涯、忘れることはないと思います」と付け加えた。
そんな篠原の受賞に喜びを隠せない様子の橋口監督は、「ここに来る時に、『片やジャニーズのニノ(二宮和也)、方や無所属のシノ。こんな日が来るなんてお前、想像できた?』と言った」と明かし、会場を沸かせると、「これがスタート。ここから篠原の人生が始まっていくんで、頑張ってほしいと思います」とエールを送った。その言葉に促されるように、スピーチを受けた“ニノとシノ”は壇上で固い握手を交わすこととなり、会場は大きな拍手で祝福した。(取材・文:壬生智裕)