中井貴一×ユースケ×ピエール!3人で作った「最高のB級グルメ」
WOWOW「連続ドラマW きんぴか」で主演を務めた俳優の中井貴一が、自ら共演者として指名したというユースケ・サンタマリアとピエール瀧とともに、本作への思いを語り合った。
オシャレ3人組!中井貴一、ユースケ・サンタマリア、ピエール瀧
WOWOWで初めて人気作家・浅田次郎の作品を連続ドラマ化した本作は、信じていた組織に見捨てられた悪党3人組の起死回生を描く痛快劇。昔かたぎで不器用なヤクザ役を中井、政治家の罪をかぶった元秘書役をユースケ、政権に反旗を翻した元自衛官役をピエールが担当し、金や出世よりも“筋”を通して生きてきた男たちの姿を活写する。
WOWOW連続ドラマ初主演となる中井は、「最近、コンプライアンスによって内容を制限されることが多いけれど、有料放送のWOWOWは、地上波よりも多種多様なものに挑戦できる」とメディアの可能性を語る。そんな中、中井が挑んだ題材は、これまでWOWOWにはなかった「きんぴか」という任侠風味の人間ドラマ。「ヤクザ映画が少なくなり、世の中がエンタテインメントに厳しくなってきている。そんな時代だからこそ、やる意味がある」と目を輝かせる。
そして、中井が最もこだわったのがキャスティング。トリオを組む共演者に、ユースケとピエールを自ら指名した。「2人は僕にとって理想型。彼らが出ないなら僕はやらないと宣言していたくらいですから。だから、忙しい2人に合わせて撮影時間も変えたりした」と裏話を披露。さらに、「昔、市川崑監督が『映画の成功は80%がキャスティング』とおっしゃっていて、残りの10%が演出で、あとの10%が運だと。そういった意味で今回のドラマは、すでに80%は成立した」とベタ褒めだ。
これに対してユースケは、「僕ら世代にとって中井さんは特別な存在。『ふぞろいの林檎たち』(TBS系ドラマ)はもちろん、映画もたくさん観てきていますし」と尊敬の眼差し。「そんな中井さんが拳を突き上げたことで実現した『きんぴか』に、僕らを指名してくれて本当に嬉しかった。瀧さんともこういう機会がないとなかなか共演できませんから。ゴールド・エクスペリエンス!(と、突然声を張り上げ)……最高の体験でした。ねぇ、瀧さん?」とキラーパスを送る。
するとピエールも、「ユースケが言うように、中井さんは本当に特別。(DCカードのCMを引き合いに出し)中井さんの隣でカッパの着ぐるみの中に入るんなら、『なるほどね』ってわかるんですが、そのままでいいっていうからビックリですよ」と指名されたことに驚きを隠せない。
謙遜する2人に対して中井は、「野球はピッチャーとキャッチャーの役割分担があるけれど、役者同士は瞬間的にピッチャーとキャッチャーが入れ替わる時がある。その返しの色合いが2人はすごく面白くて、『あ、こんな風に返してくるのか! じゃ、こんな球を投げてみよう』とか、本当に刺激になった」と述懐。さらに中井は、「待ち時間はいつも3人で集まって、くだらない話をずっとしていましたね。でも、その積み重ねが人間関係を作り、『絆』をより深めることができた」と笑顔を見せる。
「3人で最高のB級グルメができた」と自信をのぞかせる中井に対して、「最高の定食ですね」と同調するピエール。そこへユースケが、「これはもう、『きんぴか』以前、『きんぴか』以後って言われますよ!」とやや大袈裟にコメントすると、ピエールから容赦ないツッコミが飛ぶ。まさに絶妙なアンサンブル、『きんぴか』トリオの活躍から目が離せない。(取材・文:坂田正樹)
「連続ドラマW きんぴか」はWOWOWで放送中 (毎週土曜よる10:00~全5話)