『ルーム』の天才子役、星野源がお気に入り
映画『ルーム』で第88回アカデミー賞の主演女優賞を獲得したブリー・ラーソンと、息子のジャック役を務めた子役のジェイコブ・トレンブレイが22日、都内で行われた来日記者会見に出席。初来日に、ブリーは「日本に行くなら桜の時期に行きたいとひそかに心の中で思っていたのです」と感動の面持ちで、ジェイコブも「ママが日本の音楽をいくつか選んでくれて、飛行機の中でもずっと聴いていたんだ。その中で星野源がとても気に入ったので、自分のInstagramにアップしてみた」と滞在を満喫している様子をうかがわせた。
エマ・ドナヒューの小説「部屋」を映画化した本作は、7年間“部屋”に監禁され続けた母子の脱出劇とその後の生活を、濃密な母子愛とともに描き出す。5歳の息子を命懸けで脱出させる母親という難しい役どころを演じ見事オスカーに輝いたブリーは、「受賞の瞬間の気持ちは?」という問いかけに、「自分の名前を読み上げられたとき頭が真っ白になって、どんなスピーチをしたかまったく覚えていないの。シュールな体験でした。でも、かえって心からの言葉で感謝を伝えることができてよかったです」と喜びをにじませる。ジェイコブも「僕も、ブリーが受賞したのはお気に入りの瞬間になった。家でXboxで遊ぶよりも(授賞式は)楽しかった」と振り返っていた。
本作で目の覚めるような演技を披露したジェイコブは、役作りについて「撮影のとき、僕は8歳だったけど、(役柄の)ジャックは5歳だったから、3歳若くなって5歳に戻らなきゃいけなかったのが大変だった」と大人びた表情で語る。また、レニー・アブラハムソン監督による本作のラストシーンの演出について話が及んだ際には、ジェイコブは「多くの人が涙するシーンだと思うけど、原作をあのように表現した監督の演出はすごくスマートだと思った。ママも泣いていたよ」と話し、「演技では自分の目線でしか見られないけど、映画になるとベストなシーンが編集されて音楽もついて、自分では見られないものが見えるから(映画は)クールだよ」と天才子役と騒がれる才能の片鱗をうかがわせた。(取材/岸田智)
映画『ルーム』は4月8日より全国公開