スーパーマン役に「慣れることはない」ヘンリー・カヴィル、バットマンとの溝を語る
世界的な人気を誇る二大ヒーローの対決を描く『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(3月25日全国公開)でスーパーマンを演じたヘンリー・カヴィルが、本作と今後のキャリアについて語った。
【写真】二大ヒーロー激突!『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』
『マン・オブ・スティール』(2013)でスーパーマンとしてデビュー。本作で再びスーパーマンを演じるヘンリーの姿には余裕さえ感じるが、本人は「スーパーマンを演じることに慣れることはないと思う」と冷静に語る。「なぜなら、今もスーパーマンは成長しているからだよ。僕自身、彼がゆっくりと、映画ごとに、完成された存在へと到達する過程を楽しんでいるんだ。普通の人が、何かに対して感情的になった後で『あんなにクレイジーになるべきじゃなかった』と思ったりするように、スーパーマンも学んでいるのさ」。
しかし、「残念ながら、彼が何かを学ぶような出来事となると、地球規模の大事になってしまう」というヘンリーの言葉通り、本作でスーパーマンは、大きすぎる彼の力を危険視する声に苦悩することに。そんな彼の心情をヘンリーは、「人類がスーパーマンに救ってほしいと思っているのかわからないと感じる、彼の怖れを表現することが重要だったんだ。この映画で彼はそういった状況に落胆し、人々を救おうとする行いも無駄のように思えてしまう」と分析する。
そんな、まさに神のような存在であるスーパーマンに、人間として立ち向かうのがバットマン(ベン・アフレック)だ。同じ正義を行う者でありながら、両者の間には明確な溝があるとヘンリーは語る。「スーパーマンは、カンザス州で育つ過程で、両親たちから正しいやり方で物事を解決するように、という理想を教え込まれた。正義を分配するにはやり方があり、それは正しくなされるべきだというね。だから彼は、バットマンの自警主義は間違っていると感じているんだ。彼が正義のために犯罪を止めていることを理解していてもね」。
世紀の対決に挑む二大ヒーローに、ワンダーウーマンまで加わったバトルは圧巻の一言。ザック・スナイダー監督のビジュアルセンスが炸裂した戦闘は絵画のような美しさだが、実際の撮影は苦労の連続だったようで、「スタジオと実際のロケ、そしてグリーンバックのステージへと撮影場所を変えていったんだ。実際のシーンを作るのに、5か月くらいかかったんじゃないかな。ハードだったよ」と苦笑い。一方で、「撮影のたび、どのファイトシーンを撮っているのかを思い出しながら演じるのもかなり難しかった。そのシーンのマジックを台無しにしてしまうわけにはいかなかったからね」と真摯(しんし)に語った。
昨年公開された『コードネーム U.N.C.L.E.』の好演も記憶に新しいヘンリー。今後もDCコミックスの新作が次々と製作される予定だが、スーパーマン以外の役に興味はないか尋ねると、「もちろん、他の役にも興味があるよ。今は話せないけど、実現しそうな企画があるんだ」と充実の表情。ただ、やはりスーパーマンへの思いは別格なようで「僕は彼のキャラクターが大好きなんだ。だから、毎年1本ずつ、今後10年間でも、喜んで彼を演じるよ」と穏やかな笑みを浮かべた。(編集部・入倉功一)