『バットマン vs スーパーマン』断トツの初登場1位も不名誉な記録も…
全米ボックスオフィス考
先週末(3月25日~3月27日)の全米ボックスオフィスランキングが発表され、二大ヒーローの夢の対決を描いた映画『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』が興行収入1億6,600万7,347ドル(約199億2,088万1,640円)を稼ぎ出し断トツの首位デビューを果たした。2012年の『ハンガー・ゲーム』(オープニング興収1億5,253万5,747ドル・約183億428万9,640円)を破り、3月公開作品のオープニング興収記録を塗り替える大ヒットだ。(数字は Box Office Mojo 調べ、1ドル120円計算)
批評家の評判は悪いものの(アメリカの大手映画批評サイト Rotten Tomatoes では満足度28%)、観客からはまずまずの評価を得ていて、反応も良い同作。これまで Rotten Tomatoes で満足度63%に満たない作品がオープニング興収1億5,000万ドル(約180億円)以上を上げたことはなかったが、同作がそれを破ったことがそのことをよく象徴している。
その一方で、心配な面も。先日には同作のオープニング興収は推定1億7,010万ドル(約204億円)と発表されたため、2011年の『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』(オープニング興収1億6,918万9,427ドル・約203億273万1,240円)を上回り、配給のワーナー・ブラザースのオープニング興収新記録を樹立したと思われたが、実際には『死の秘宝 PART2』には及ばず2位。推定の興収と比べ実際の興収が大きく下がってしまった理由は、同作の興収が金曜~日曜にかけて急激に下がってしまったことが挙げられる。
Forbesによると、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』の公開初日となる金曜の興収は約8,200万ドル(約98億4,000万円)、日曜の興収は約3,700万ドル(約44億4,000万円)で、金曜から日曜にかけて55%のダウン。これは2011年以降に公開されたスーパーヒーロー映画で最も急激な下落率となる。ちなみに、同作の次に公開初日の金曜から日曜にかけての下落率がひどかった作品は、各所で酷評された『ファンタスティック・フォー』(2015)の48.3%ダウンだ。
そのほか、ロマコメ映画『マイ・ビッグ・ファット・ウェディング』の続編『マイ・ビッグ・ファット・グリーク・ウェディング2(原題) / My Big Fat Greek Wedding 2』が興収1,786万1,950ドル(約21億4,343万4,000円)で3位デビューを果たした。今週末は、『神は死んだのか』の続編などが公開される。(編集部・市川遥)
3月25日~3月27日の全米ボックスオフィスランキングは以下の通り。()は先週の順位。
1(初)『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』
2(1)『ズートピア』
3(初)『マイ・ビッグ・ファット・グリーク・ウェディング2(原題) / My Big Fat Greek Wedding 2』
4(3)『天国からの奇跡』
5(2)『アリージアント(原題) / Allegiant』
6(4)『10 クローバーフィールド・レーン』
7(5)『デッドプール』
8(6)『エンド・オブ・キングダム』
9(14)『ハロー、マイ・ネイム・イズ・ドリス(原題) / Hello, My Name is Doris』
10(11)『復活』