ウィーン美術史美術館の裏側!館長から修復家、美術史家、運搬係、清掃員にもカメラ向ける
今年で創立125周年を迎えるウィーン美術史美術館の改装工事に密着したドキュメンタリー映画『グレート・ミュージアム ハプスブルク家からの招待状』が11月に日本で公開されることが発表された。
本作は、2012年から大規模な改装工事に着手した美術館の改装から再オープンに至るまでの舞台裏に、解説やインタビュー、音楽を一切排したダイレクトシネマの手法で迫った実録映画。館長から清掃員、運搬係から美術史家、繊細な絵画の復元作業を日々重ねる修復家、美術館の中で自分がチームにうまく組み込まれていないと感じるゲストサービス、定年にさしかかった貴族出身のコレクション責任者、オークションでスリルと落胆を味わう美術史家に至るまで、美術館に関わるありとあらゆる人々にカメラが向けられる。
同美術館館長のザビーネ・ハークはこの映画について、「この荘厳なドキュメンタリーは、世界で最も貴重な美術館のひとつ、ウィーン美術史美術館のすべてを描き尽くしています。魅力あふれる美術館のめったに外には見せない舞台裏を独特の視点で描き出した本作を通じて、多くの観客がカリスマ的な登場人物たちと彼らの仕事が織りなす世界に思いがけない出会いを果たすことでしょう」とコメント。さらに「美術館を代表して日本の皆さまにこの作品をご覧いただける機会を得たことを深く誇りに思います」と日本に向けてメッセージを送っている。
美術館で働くスタッフが予算の問題と競争力の重圧との狭間に立ちながら美術品に向き合う姿勢にまで迫った本作は、年間入場者数135万人の1割が日本人であるほど日本と結びつきのある美術館の貴重な舞台裏を浮き彫りにしている。(数字は宣伝調べ)(編集部・海江田宗)
映画『グレート・ミュージアム ハプスブルク家からの招待状』は11月よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開