名匠が明かすビジュアル構築の裏側!撮影監督が語る『ボーダーライン』メイキング
メキシコ麻薬戦争の最前線で過酷な現実に向き合う女性捜査官の葛藤を描くサスペンスアクション『ボーダーライン』から、アカデミー賞ノミネートの常連である名撮影監督ロジャー・ディーキンスをはじめとする制作スタッフが、美しさとリアリティーの同居したビジュアルデザインの裏側を語るメイキング映像が公開された。
【写真】究極のリアリズム!『ボーダーライン』フォトギャラリー
『ショーシャンクの空に』をはじめ、『ファーゴ』『ノーカントリー』『愛を読むひと』『007 スカイフォール』『プリズナーズ』『不屈の男 アンブロークン』そして本作と、過去13回もアカデミー賞撮影賞にノミネートされながら受賞にはいたっていないロジャー。公開されたメイキング映像では、そんな無冠の名匠が、同作で取り組んだ、ビジュアルデザインの裏側を語っている。
同作で描かれるのは、アメリカとメキシコ国境の町フアレスで展開する、無惨な麻薬戦争の闇。メガホンを取ったドゥニ・ヴィルヌーヴ監督は、脚本の力強さにひきつけられ、「観客には映画のシーンで起きていることを出来る限りリアルに感じてもらいたい」と考えロケ撮影を敢行。暴力描写、アクションの描き方についても、リアリティーを求めてこだわりぬいたという。
そんな監督のイメージをささえるためロジャーは、1980年代にメキシコの国境を題材にして多くの作品を残した写真家アレックス・ウェブの作品を参考にしたと明かしている。また、麻薬カルテル撲滅に駆り出される女性捜査官ケイト(エミリー・ブラント)が初めて画面に登場する冒頭では、光と闇をコントロールすることで彼女のキャラクターを表現。徹底したリアリズムと比ゆ表現を融合させた撮影の裏側は必見だ。
衝撃的な現場に送り込まれるFBI捜査官を演じたのは『オール・ユー・ニード・イズ・キル』のエミリー・ブラント。ベニチオ・デル・トロ、ジョシュ・ブローリンら実力派俳優が脇を固める。(編集部・入倉功一)