高良健吾、故郷・熊本を心配も舞台登壇を決意「与えられた仕事はここなので」
俳優の高良健吾が16日、都内で行われた映画『蜜のあわれ』の大ヒット御礼舞台あいさつに登壇、熊本県熊本市出身である高良は、14日より発生した平成28年(2016年)熊本地震の経過を心配しながらも、あえてこの日の登壇を決意した経緯を語った。
イベントに大杉漣、石井岳龍監督と共に出席した高良は、あいさつの際から「確かに地元が大変なことになっているけど、だからといってこの舞台に立たないという選択はないと思いました。ここでしかできないこと、あっちでしかできないことっていうのもある。自分の与えられた仕事はここなので」と固い決意をもって登場したことを明かす。
また、フォトセッションでは高良のはからいで一般の観客の撮影を許可。「映画のことだけであいさつを終わりたいと思うけど、本当は不安なんです。だから、写真を撮ってくださった方は、少しでも熊本のことを気に掛けていただければ。思ってくれるだけでいいんです」と故郷への思いやりの気持ちをあらわにしていた。
大杉は午前中に高良と電話でこの日の登壇をどうするか話し合ったそうで、「高良くんはいろんなことを思っていると思うけど、すごく前向きな言葉をしゃべっていました」とその時の様子を振り返り、「力強く『こういう時だからこそ舞台に立ちたい』と言ったんです。僕が言わなきゃいけないような言葉だし、背中を押してもらったような気がしました」と高良の言葉に逆に力づけられたという。
そんな大杉と高良はこれまで何度も共演経験があり、大杉は高良のことを「器用にしゃべるという人ではないと思うんだけど、すごく気持ちでしゃべってくれる人だから、高良くんはあるときは友達同士、息子だったり。いい意味での付き合いをこれからもしていきたい」と絶賛。対して高良は「自分は映画が好きで、映画を観ていたころからそこに大杉さんはいて、いつも背中を見ていたから、(共演は)自分にとってお父さんみたいな人がいるような気持ち。本当にいろんなことを学んでいます」と絶大な信頼を寄せている様子を見せた。(取材・文:桂伸也)
映画『蜜のあわれ』は全国公開中