運命的に出会う男と少女…人は出会いにオープンになるべき
第15回トライベッカ映画祭の出品作『ザ・デビル・アンド・ザ・ディープ・ブルー・シー(原題) / The Devil and the Deep Blue Sea』について、メイジー・ウィリアムズ、ジェシカ・ビール、ジェイソン・サダイキス、ビル・パープル監督が、4月14日(現地時間)にニューヨークのスミスホテルで行われたインタビューで語った。
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本作はニューオーリンズを舞台に、交通事故で妻(ジェシカ)を失い精神的にどん底にいたヘンリー(ジェイソン)が、集めたゴミでいかだを作り大西洋横断を夢見る少女ミリー(メイジー)との出会いから、彼女の夢をかなえる過程で自分の人生も再生させていくドラマ。映画『グリーン・ランタン』で助監督を務めたビル・パープルがメガホンを取った。
製作経緯についてジェシカは「長年ビルと、映画の友として気に入った作品など、映画の話をよくしてきたの。彼はいつか自分の脚本を監督したいと思っていた。それに実はわたしが立ち上げた制作会社のパートナーが、ビルの妻ミシェル・パープルだったことから、この制作会社を通して、彼らと共に映画界に名乗りをあげようと思ったの。そんな時に、今作の基になった短編をビルが製作し、その短編を観て彼のビジョンとクリエイティブな才能に信頼を置いたの。もっとも、その短編から適したキャスト陣で長編化するまで9年かかったわ」と明かした。
ヘンリーとミリーは運命的に出会う。ジェイソンは「その時、自分が(運命的な出会いに)気付くにしろ、気付かないにしろ、そういう運命的な出会いはある。人はそういった出会いにオープンになるべきだ。自身の防御壁を下げて、(見た目で判断せず)受け入れるのも大切だ」と答えると、ビルは「確かにある時、運命的な出会いを果たし、出会いから奇跡が起きることもある。でもそんなことは誰にでも起きるわけではないよ」と冷静に述べた。
緊張感のある役柄にどのように入り込んだのかという質問にメイジーは「これまでも孤独が特徴の役柄が多かったけれど、今作では孤独だけでなく、(ヘンリーと出会ってから)コメディーの部分もあった。実際に、どのようにこの役柄に入り込んだのかはよくわからない。でも自宅から離れたセットでの撮影で、母や友人をあえてセットに呼ばなかったことで、映画製作の旅に出たような感覚になって、それはある意味この役ミリーが体験していることなのかもしれない」と答えた。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)