東出昌大、一言もしゃべらず…西島秀俊&香川照之が困惑
俳優の西島秀俊、東出昌大、香川照之が26日、都内で行われた映画『クリーピー 偽りの隣人』レッドカーペット&ジャパンプレミアに出席、西島と香川は東出が徹底した役づくりで周囲とまったく会話をしなかったことに心労があったと明かした。イベントには、竹内結子、川口春奈、メガホンを取った黒沢清監督も登壇した。
本作は、第15回日本ミステリー文学大賞新人賞に輝いた前川裕の小説を映画化したサスペンス・スリラー。未解決の一家失踪事件を分析する犯罪心理学者の高倉(西島)は、奇妙な隣人の西野(香川)の言動に翻弄される。やがて事件と隣人の不可解な関係を見出した高倉は、妻の康子(竹内)と共に戦慄の闇へと引きずり込まれていく……。
「黒沢監督の一ファンで、黒沢作品に出られているだけでうれしい」という東出は、高倉と共に事件の謎を追いかける刑事の野上を演じる上で、「今までの黒沢監督の映画にいろいろな奇妙な登場人物が出てくるので、自分もその世界観に入りたい」「普段のデレッとした感じの東出はそぐわない」と感じ、共演者と話さないという役づくりに没頭したという。
しかし、その姿勢はベテラン勢を不安にさせることに。西島は初共演の東出との初日に緊張を持って挑むも、東出が魂の抜けたような状態でイスに座っている姿に「大丈夫かな?」と心配して話しかけたという。その瞬間、東出は西島の言葉に反応するも、すぐにまた生気がなくなり座り込んだため、西島は「変わっているなぁ」と思ったのだとか。東出はその場で「本当は人懐こくて話すタイプなんですけど、今回は役づくりでまったく話さないことにしているんです」と釈明したそうで、西島は「すごく役に集中していた」と感心しつつ、「今日やっとちょっとお話しできた」と笑みをこぼした。
また、香川も「僕にも一言もしゃべってくれなくて。たぶん僕のこと嫌いなんだなぁと思っていたので傷心でした」と振り返り、東出をタジタジに。そんな東出だが、黒沢監督とそれぞれ4度目のタッグを組む西島や香川と仕事ができることに気が高まっていたそう。とりわけ、「夢に出てくるほど気持ち悪い」という西野役の香川が、「0.5秒くらいの動きを、ち密に監督と話しているのを目の当たりにして、勉強になると思いました」と敬意を示すと、香川は「そういう風に言っていただけていまはうれしいです」と照れ笑い。誤解が解かれ、東出もほっとした表情を見せた。(取材/錦怜那)
映画『クリーピー 偽りの隣人』は6月18日より全国公開