ケヴィン・スペイシーがニクソン大統領、マイケル・シャノンがエルヴィスを演じた話題作とは? トライベッカ映画祭
ロック界のキングことエルヴィス・プレスリーとリチャード・ニクソン元大統領の会談を描いた第15回トライベッカ映画祭出展作『エルヴィス・アンド・ニクソン(原題)』について、ケヴィン・スペイシーとマイケル・シャノンが、4月18日(現地時間)にニューヨークのコンラッド・ホテルで開催された記者会見で語った。
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本作は、1970年12月にニクソン元大統領(ケヴィン)とホワイトハウスで面会を果たしたエルヴィス(マイケル)が、若者の将来とドラッグ文化を憂慮していることや、FBIの覆面捜査官になりたいという意思を伝えた実話を追ったもの。映画『リターン(原題)/ Return』のリザ・ジョンソンがメガホンを取った。
エルヴィスを演じるための下準備について、マイケルは「まず、彼の長編作品や『エルビス オン ステージ』『エルビス・オン・ツアー』などのドキュメンタリーを鑑賞した。次に、今作の舞台設定から2ヶ月前のヒューストンでの記者会見を何度も鑑賞した。それが僕をエルヴィス役に導いてくれた。さらにエルヴィスの長年の友人ジェリー・シリングは、『エルビス オン ステージ』で未使用だった45分ものインタビューを送ってくれた。そのため、そのような(映像)を見たり、CDなどを聴いていた」と明かした。
一方ケヴィンは、ニクソン役について「実は『フロストxニクソン』のスクリーンテストでニクソン役を務めたことがあったため、あの時のテスト映像を見返して、何を間違えあの役を得られなかったかを明確にした。それからニクソンの舞台裏の映像を含めた『アワー・ニクソン(原題)/ Our Nixon』を鑑賞したり、ホワイトハウスの椅子にぎこちなく座るニクソンの写真なども役に立った。さらに彼のプライベートな会話テープは、ニクソンがどういう人物なのか理解するのに不可欠だった。そのテープで彼は悪態ばかりついていて、これまで聞いたテープの中で最もそれが多かった感じを受けた(笑)」と語っていた。
エルヴィスとニクソンの会合は実話だが、どの程度脚色部分があるのか。ケヴィンは「この会合自体は有名だが、録音はされなかった。そのため、脚本家も俳優陣も想像を働かせて当時の会話を記したり、演じた。ただ、エルヴィスの友人ジェリー・シリングやニクソンの大統領顧問補佐官エジル・クローは大統領執務室の会合に出入りしていたため、彼らから断片的なことを聞き出せたが、その内容は明確に拡張された」と話していた。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)