浅野忠信、飛行機トラブルに見舞われるも主演作がカンヌでスタンディングオベーション!
第69回カンヌ国際映画祭
現地時間14日、第69回カンヌ国際映画祭である視点部門出品作『淵に立つ』の公式上映が行われ、主演の浅野忠信、古舘寛治、筒井真理子と深田晃司監督にカンヌの観客から大きなスタンディングオベーションが送られた。
夜10時過ぎの公式上映に先立って昼の12時頃にはフォトコールが行われたが、浅野は飛行機の欠航により到着が遅れて参加できず。それでも公式上映には無事立ち会うことができた浅野は「最後まで気を緩められない役でしたが、カンヌに来るときもハプニング続きでした。飛行機がたどり着かないとか、荷物が着かないとか(笑)。なので今はとてもほっとしています。皆さんにこうやって観てもらえ、温かい拍手をもらえてうれしいです」とほっとした笑顔を見せた。
本作は、下町で金属加工業を営む夫婦(古舘、筒井)のもとに突然一人の男(浅野)が現れたことから奇妙な共同生活が始まり、一見平和だった家族に“異物”が混入することで夫婦それぞれが抱える秘密があぶり出されていくさまを描いた衝撃作。古舘は「カンヌに来るなんて僕の人生ではないと思っていたので、生きているとすごいことが起こるもんなんだなと」、筒井は「温かい拍手がやまなくてうれしかったです。ちょっとふわふわしています」とそれぞれに感想を語った。
観客のスタンディングオベーションに大きく手を上げて応えていた深田監督は、初めてのカンヌに「やっぱり特別です」と興奮冷めやらぬ様子。「子供の頃からずっと憧れて、またカンヌを通過してきた映画や映画監督に憧れてずっと映画監督をやってきたので。でも僕の好きな映画監督でカンヌをゴールだと思っているのは誰一人としていないと思うので、ここからがスタート。これからも地道に映画を作っていきたいと思います」と気持ちを新たにしていた。(編集部・市川遥)
第69回カンヌ国際映画祭は現地時間5月22日まで開催
映画『淵に立つ』は今秋、有楽町スバル座ほかにて全国公開