斎藤工、いじられ喜ぶ「打楽器を忘れた南米のミュージシャンみたい」
女優の藤山直美と阪本順治監督がおよそ16年ぶりにタッグを組んだ映画『団地』の完成報告会見が26日、都内で行われ、阪本組初参加となった斎藤工は藤山から「打楽器を忘れた南米のミュージシャンみたいだね」といじられると、「いつもいじっていただいて、幸せでした」と喜ぶ一幕があった。この日は、藤山、斎藤、阪本監督に加え、共演の岸部一徳、大楠道代、 石橋蓮司も出席した。
本作は、2000年公開の映画『顔』以来、16年ぶりにタッグを組んだ藤山と阪本監督が挑んだ人間ドラマ。さまざまな人生が交差する「団地」という空間を舞台に、ごく平凡な夫婦のありえない体験を軽妙な会話劇で描く。
阪本監督が藤山のために書き下ろした完全オリジナル脚本ということで「藤山さんをどこまで遠いところに連れて行こうかという発想から生まれた」と話す阪本監督に、藤山は「遠いところまで行かされ、戻って来れなくなりました」と突っ込みを入れ、会場を沸かせる。
続けて、「藤山さんのスケジュールが空いていると保健所の人にいわれて……」とシュールな前置きで周りを苦笑させた阪本監督は、「『何これ?』と不審がられるものを書きたくて書きました」と話す。藤山は「脚本を読んで、『この人、大丈夫なの?』と感じましたが、信頼してお任せしました」と2人の絆の強さをアピール。さらに、団地が舞台ということで「みんなが冗談で『団地妻』って言うから、何をおっしゃいますかって感じ……」と言いながらも、藤山はまんざらでもない表情を見せた。
また、劇中の藤山と岸部の夫婦ぶりにも話は及び、大楠は「ふたりの息のあった、食べっぷりにびっくり。ふつうの夫婦以上の相性!」とベタ褒め。石橋も「情感の匂う素晴らしい夫婦!」と大絶賛していた。
坂本組初参戦の斎藤はベテランの共演者を前に、「個性派の俳優陣との共演で光栄」としみじみ。最後に藤山は「人間模様もしっかり描かれています。不思議な気持ちになって、観終わった後にほっこりした気分になれる作品です」とアピールした。(取材・文:福住佐知子)
映画『団地』は6月4日から有楽町スバル座、新宿シネマカリテほか全国公開