ジョディ・フォスター監督の新作とは?注目の若手俳優ジャック・オコンネルが語る
映画『不屈の男 アンブロークン』で注目された若手俳優ジャック・オコンネルが、ジョディ・フォスター監督作『マネーモンスター』(6月10日日本公開)について、9日(現地時間)にニューヨークで行われたAOLのイベントで語った。
本作は、人気司会者リー・ゲイツ(ジョージ・クルーニー)が巧みな話術で株価予想や視聴者への助言を行う高視聴率番組「マネーモンスター」の生放送中に、リーが与えた情報で財産を失った若者カイル(ジャック)が拳銃を持ってスタジオに乱入し、リーを人質に、プロデューサーのパティ(ジュリア・ロバーツ)に自分を陥れた株取引のからくりを白日の下にさらすよう迫るというもの。
カイルについて「彼は順序通りに正しいことをして、行儀よく振る舞えば、最後にはデザートをもらえると信じているが、実際にはデザートが盗まれた状態にある。ところがそんな状態でも、カイルは自身の人生が転落していくのを認めたくないと感じていて、(原因を追究するまで)反抗もせずに騙されたまま、金を巻き上げられたくないと思っている。それに、カイルは金を失い、自分には何も価値がないと考えていたが、自身の価値を見いだそうとする。彼には子供が生まれる予定で、そんな彼の行動は無欲なものとして描かれているんだ」とその行動に理解を示した。
作品の選択と演技プランについては、「まず、最初に英国ダービー(ジャックの出身地)のアクセントでやれるのかを聞くよ(ジョーク)! もし仮に他の(候補となる)作品に同様な価値があったとしても、(最終的には)映画全体を通して何かを伝え、意味のある作品を選択する。それから役柄の研究に入る。映画内のストーリー構成がしっかりしていたら、自分の役柄を好きになる必要もないし、そのキャラクターを嫌うこともできる。だが、今作の脚本では、公然と立ち向かうカイルが好きで、そんな役柄を人間的に演じることに興奮した」と自信をのぞかせた。
感情の起伏が激しいカイルを演じたが、このような役に惹(ひ)かれがちなのか。「自分のキャリアを通してそういう役柄に惹かれてきたし、これからもそうだろう。次回作を演じるうえで、以前の役柄の影響はあるし、また次回作の役柄によって、以前の役柄が称賛されることもある。僕はさまざまな役柄に挑戦し続けようとする俳優を尊敬している」と俳優としての思いを語った。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)