コロンビア映画史上初!アカデミー賞外国語映画賞候補作が10月公開
第88回アカデミー賞外国語映画賞でコロンビア映画史上初のノミネートとなった『彷徨える河』が10月に日本公開されることが決定した。
本作は、20世紀初頭と半ばにアマゾンに足を踏み入れた、ドイツ人民族誌学者テオドール・コッホ=グリュンベルクと、アメリカ人植物学者リチャード・エヴァンズ・シュルテス、2人の探検家の手記に基づく物語。先住民族唯一の生き残りとしてアマゾンのジャングルで孤独に生きてきたシャーマンのカラマカテは、かつて重い病に侵され助けを求めてやって来たドイツ人民族誌学者を救うため、幻の聖なる植物ヤクルナを探した。数十年後、記憶や感情を失ったカラマカテはヤクルナを求めるアメリカ人植物学者と出会い、再び旅に出る。過去と現在、2つの時間軸を交錯させながら、幻覚や呪術といった神秘的な世界観、大アマゾンを捉えた美しいモノクローム映像によって、失われた彼の記憶を映し出していく。
監督は、米エンタメ業界紙「Variety」の「2016年に注目すべき監督10人」に選出されるなど、世界的な注目を浴びるコロンビアの俊英シーロ・ゲーラ。第68回カンヌ国際映画祭で監督週間芸術映画賞を受賞するなど数々の映画祭で高い評価を受けた本作は、アメリカでの初週の週末成績が2015年に公開された外国語作品のトップになったほか、フランスでもロングランを記録するなど興行面でも成功を収めた(※配給調べ)。
日本では昨年、京都ヒストリカ国際映画祭で『大河の抱擁』の邦題で上映されていたがこの度『彷徨える河』と改め、劇場公開が決定。劇場公開に先駆け、8月11日より開幕する国際美術展覧会「あいちトリエンナーレ2016」映像プログラムで上映される。言語はスペイン語・ドイツ語・アマゾン先住民語。上映時間124分。(編集部・石井百合子)
『彷徨える河』は10月、シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開