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三浦友和、父として、俳優としての人生を振り返る

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『葛城事件』で怪物のような父親を演じた三浦友和
『葛城事件』で怪物のような父親を演じた三浦友和

 崩壊していく家族の悲劇を、『その夜の侍』の赤堀雅秋監督が描いた映画『葛城事件』で、その起点となる抑圧的な父親の主人公を演じた三浦友和が、自らの家族への思いと、新たな代表作に出会えた喜びを明かした。

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 本作は主人公の葛城清が、自らの理想を家族に押し付けるあまり、対人関係に悩む長男・保(新井浩文)、精神を病む妻・伸子(南果歩)、そして、無差別殺傷事件を起こす次男・稔(若葉竜也)を生むこととなる一家の悲劇を、死刑制度への反対から稔と獄中結婚する順子(田中麗奈)の存在も絡めて描いた衝撃的な人間ドラマ。それを赤堀監督はどこにでも起こり得る切実な物語として描いており、三浦も「こういう親父のいる家庭でも立派に育つ子供がいると思うけど、葛城家では父親を反面教師にできなかったし、清があまりにもモンスター過ぎて恐怖の存在でしかなかったのかなと。殴り返せてしまえる親父なら、こうはならなかったのかも」との実感を語る。

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 妻と二人の息子を持つ家族構成は三浦自身とも同じだが、自らの家族については「普通のモラルを持った人間には育ってくれましたね。それは妻のおかげが大きいと思います。特別厳しいルールもなく、ごく一般的な育て方ですが、感謝することや挨拶することとか、当たり前のことをちゃんと教えたんじゃないですか。それで優れた人間になったかというと、それはまた別の話で(笑)」とのこと。

 子供たちに、勉強しろと言ったり、進路などに口出ししたことは一切ないそうだが、驚かされたことはたくさんあり、「例えば次男の貴大が、中学から大学までストレートに上がれる学校に通っていたのに、違う大学に行きたいと言い始めたときとか。10代にして、自分というものが出来上がりつつあることへの驚きがありましたね」という。そのため、次男が俳優になるときも、「長くやる職業だから、それは大変だよ」「最低でも10年は続けるくらいの気持ちで始めなさいよ」といった程度のことしか言わなかったとか。

 そう家庭を振り返ると同時にキャリアについても言及すると、今回の映画は初めてといっていいほど客観的に観ることができた、自分史の中でも珍しい出演作だったという。「実は2年越しで準備していた企画が実現できなくなった直後にお話をいただいたので、気落ちしていてお断りしかけたんです。でも、自分の中ですごく引っかかる面白い脚本だったので、やらないと後悔すると思った。無宗教ですが、その企画が実現していたら出演できなかったので、もしかするとお導きがあったのかも(笑)」と自身が転機にあったことを告白。さらに、「昔、仕事がうまくいかない時期に声をかけてくださったのがあの相米慎二さんでしたし、そういうことで救われていく部分があるから、うまくいってもいかなくても、すべてが何かに影響する。これまでもいろんな節目がありましたが、自分の中で残るものとして、この作品は相当大きい。何年か経ってから、すごくいいものに出会えたなと思える作品になるでしょうね」と俳優人生を大きく左右した縁や運に思いを巡らせた。(取材・文:天本伸一郎)

映画『葛城事件』は6月18日より新宿バルト9ほか全国公開

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