グザヴィエ・ドランが白血病患者役…過去と現在を行き交うサスペンス、予告編で明らかに
グザヴィエ・ドラン出演のカナダ映画『神のゆらぎ』(ダニエル・グルー監督)の予告編が公開され、彼がほれ込み出演を熱望したという過去と現在を行き交うサスペンスの一端が明らかになった。
ドランが演じたのは、エホバの証人(キリスト教系の宗教の信者)で末期の白血病を患う男。婚約者の看護師もエホバの証人だ。そのほか、老境にありながら情熱的な不倫を続ける男女、互いへの失望を隠しながら暮らすアルコール依存症の妻とギャンブル狂の夫、取り返しのつかない過ちを償うためドラッグの運び屋となる一人の男……と複数の登場人物の過去と現在を行き来しながら、それぞれの決断が思わぬところで他人の運命を変えてしまうさまを映し出す。
そして物語は、終着点=墜落する運命にあるキューバ行きの飛行機へ。今回公開された予告編には、墜落する飛行機、たくさんの遺体、意味深な表情のドランとさまざまなカットが含まれており、サスペンス映画の魅力たっぷり。さらには、宗教上の理由で輸血を拒むカップルの姿からは、正しい選択とは何なのか、人間に許された最良の決断とは何なのかと問いかける、本作のヒューマンドラマとしての側面も確認することができる。
先月も、監督・脚本を手掛けた『イッツ・オンリー・ジ・エンド・オブ・ザ・ワールド(英題) / It's Only the End of the World』で第69回カンヌ国際映画祭グランプリを受賞するなど、27歳という若さにして飛ぶ鳥を落とす勢いのドラン。そんな彼が見初めたというストーリーに期待したい。(編集部・市川遥)
映画『神のゆらぎ』は8月6日より新宿シネマカリテほか全国順次公開
「カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2016」にてプレミア公開