黒木瞳うるうる!初監督作公開に観客から「おめでとう!」
女優・黒木瞳の初監督作『嫌な女』の初日舞台あいさつが25日、都内で行われ、観客から「おめでとう!」と合唱された黒木が感極まって涙ぐむ一幕があった。この日は、出演の吉田羊、木村佳乃、中村蒼、古川雄大、ラサール石井も来場した。
桂望実のベストセラー小説にほれ込んだ黒木自身が映画化権を獲得し、自身でメガホンを取った本作。晴れやかな顔で壇上に立った黒木は「この原作をいただいてから5年前の今頃です。それから何度もあきらめようとしたし、くじけそうにもなりました。正直言うと、撮影に入ってからも帰ろうかなと思ったことも1回あります。主題歌をお願いした竹内まりやさんに弱音を吐いたこともあります」と告白しつつも、「でもそんなわたしの背中を押してくれたのは、このイメージを形にしようと頑張ってくれたスタッフの支え、キラキラした演技を見せたキャストの皆さんのオーラでした。映画を観たお客さまがきっと笑顔になってくれるだろうと信じていましたし、それがわたしを奮い立たせてくれました」と述懐。
さらに「数年前にわたしの尊敬する人が、1人の人も笑顔にできないなら、大勢を笑顔にすることはできない。だからあなたが悲しいなら、あなたを笑顔にさせてあげたいと言われて。ちょっとしたことで勇気をいただいて、前向きになるんだなと思いました。この映画も、ちょっとした勇気を、笑顔を与えられるような映画になればと思い、作りました」とその思いを明かすと、監督として迎える初日の緊張を取るために「今日の朝は、女優と変わらない気持ちになるように、(大好物である)焼きそばを食べてきました」とちゃめっ気たっぷりに付け加えた。
そして終盤近く、黒木に向けて、会場全体から「おめでとう!」と大合唱。それに感極まった黒木は、時折言葉を詰まらせながら「わたしたちが皆さんを笑顔にしたいと思っていたのに、皆さんから元気をいただいて。こんなうれしいことはありません」と感無量の表情を見せた。
一方、今回が映画初主演となった吉田は、「朝早くからありがとうございます。映画を公開初日から観ようという人に悪い人はいないよと、死んだおばあちゃんが言っていましたけど、本当にその通りで。皆さんの顔が天使に見えます。去年の8月、暑い夏に熱い一か月を過ごした作品です。やっとお披露目できることがうれしいです」と笑顔を見せた。(取材・文:壬生智裕)
映画『嫌な女』は全国公開中