綾野剛、中村獅童の怒鳴りにテンパる
25日、都内で映画『日本で一番悪い奴ら』の初日舞台あいさつが行われ、主演の綾野剛が登壇、撮影現場で中村獅童の迫力に動揺していたことを明かした。この日は共演のYOUNG DAIS、植野行雄(デニス)、木下隆行(TKO)、ピエール瀧と、白石和彌監督も登壇した。
本作は、日本の警察における不祥事をモチーフにした作品。2002年に覚せい剤取締法違反容疑などで逮捕され“黒い警部”と呼ばれた北海道警察の警部(綾野)の、逮捕までの26年間が描かれている。
綾野が一番印象に残っているのは、中村と初めて顔を合わせるシーンだという。「歌舞伎役者というのもあるんですけど、もともと持っているエンジンがあまりにも違って、すごいパワーで来るんです。だから(中村が)入ってきた時点で、僕は戦々恐々としていまして……」と緊張していた様子を語りながら、「はじめはゆったりしゃべってたのに、急に怒鳴り始めると本当に僕もテンパっちゃって。あのシーンは非常に獅童さんに引っ張ってもらい、途中で後に引けなくなったので、ずっとアドリブ合戦で怒鳴り続けていました」と忘れられない撮影の瞬間を振り返っていた。
一方で、映画初出演となった植野は、綾野との格闘シーンが印象に残っていると打ち明け、その理由を語っていると、綾野がいきなり口をはさみ始めて「いや、違うんですよ、これしっかり書いてください。今後の彼の芸能人生に影響を与えたいので」と記者たちに前置き。綾野はそのシーンで植野の動きにだいぶ困惑し、最後にはアドリブで悪態をついてしまったそうで、「心の声がオンになっちゃったという」とつい本気になってしまったことを釈明し、笑いを誘っていた。
また、題材が題材なだけに過激な描写も多い本作について綾野は「今、良くも悪くも自主規制など、日本が潔癖症の状況の中で、こういった作品が打ち出せるというのは、非常に重要。たまにはキュンキュンしたくて少女漫画をベースにした映画を観ることもあるけど、それとは対極にあるこのような映画があることで、日本のエンタテインメントシーンがきちんと底上げされるということを信じています」と作品の真意をアピールしていた。(取材・文:桂伸也)
映画『日本で一番悪い奴ら』は全国公開中