劇団☆新感線と歌舞伎俳優の相性バッチリ!市川染五郎も大コーフン
25日、都内で映画『シネマ歌舞伎 歌舞伎NEXT 阿弖流為〈アテルイ〉』の初日舞台あいさつが行われ、歌舞伎俳優の市川染五郎、中島かずき(作)、いのうえひでのり(演出)が登壇した。
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同作は平安初期に大和朝廷軍と戦った蝦夷のリーダー・阿弖流為をモデルに、2002年に市川が劇団☆新感線とタッグを組ん上演した「アテルイ」を、2015年に再び「歌舞伎NEXT 阿弖流為」としてよみがえらせた舞台の映像作品。中村勘九郎、中村七之助も出演し、阿弖流為らの戦いと運命をドラマチックに描いている。
トークでは同作が生まれたきっかけや意図などを話し、その中で2002年版と2015年版との内容の違いについて中島は「全部ギャグを抜くと決めたんです。今回は勘九郎さんと七之助さんというキャスティングになったところで、もっと人情味を入れようとしました」とテイストを変えた意図を解説。
市川も両作品を比べて「堤(真一)さんとの両花道は毎日興奮している場面でしたが、それを勘九郎くんとできることがなにより嬉しかったです」と語り、本作についても「楽しかったです」と満足げ。勘九郎と七之助についても「稽古(けいこ)場に入って演出というものを目の当たりにしていたので、『こうやって作るんだ』っていちいち面白がっていましたね」と振り返った。
一方、いのうえは当初歌舞伎を行う事となった心境を「(中村)勘三郎先輩が『歌舞伎役者がやれば歌舞伎になるんだよ』とおっしゃってくださったので、いつもと同じような作り方にしました」と説明し、「歌舞伎役者の肉体を通すと歌舞伎になるんだなと稽古(けいこ)中に感じました」としみじみと述懐。
劇団☆新感線と歌舞伎俳優のコラボにも、いのうえは「実は合っているんです。僕の演出は気持ちがどうのよりもまず形を作ってそこから繰り広げていくのがパターンなのですが、歌舞伎の役者さんたちもそういう事にすごく慣れてるんです」と相性が良かったことを語った。(取材・文:中村好伸)
映画『シネマ歌舞伎 歌舞伎NEXT 阿弖流為〈アテルイ〉』は公開中