ビル・カニンガムさんが87歳で死去
ニューヨークの街やファッションを撮影し続け、その実像に迫ったドキュメンタリー映画『ビル・カニンガム&ニューヨーク』が2013年に日本公開された写真家ビル・カニンガムさんが、現地時間6月25日にニューヨークの病院で亡くなった。87歳だった。脳卒中を発症し入院していたという。ニューヨーク・タイムズ紙のほか複数のメディアが報じている。
カニンガムさんは、1929年にボストンのアイルランド系カトリック教徒の家庭に生まれた。ハーバード大学を中退し、朝鮮戦争においてフランスでの兵役経験を持つ。その後、高級婦人服店で働き始め、帽子などのデザインをした後、ファッション・ジャーナリストとしてシカゴ・トリビューン紙などに寄稿。それと同時にストリートの写真を撮り始め、1978年に伝説の女優グレタ・ガルボさんの無防備な写真をニューヨーク・タイムズ紙に掲載したことから、一躍世間に知られることになった。
カニンガムさんは青い作業着を着て、自転車をこぎながら、さまざまな場所に移動して撮影をしていた。80代でも現役としてニューヨークの街角に立ち撮影していた。(細木信宏/Nobuhiro Hosoki)