北野武が米アカデミー会員候補に!日本人10人強が新規招待
映画の祭典アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーが、現地時間29日、683人の新たな会員候補を発表し、北野武や是枝裕和、仲代達矢などの日本人10名以上を招待したことを明らかにした。彼らが受諾した場合、同賞の投票権が与えられる。
今回候補に挙がっているのは、ドキュメンタリー監督の原一男、作曲家の梅林茂、元ジブリのプロデューサーの西村義明、『思い出のマーニー』の米林宏昌監督、『マイブリッジの糸』などのアニメーション作家の山村浩二、『ダム・キーパー』で第87回アカデミー賞短編アニメ賞にノミネートされた堤大介、『セデック・バレ』などの美術を担当している赤塚佳仁と種田陽平、黒沢清監督、河瀬直美監督など。
今年映画芸術科学アカデミーは、前年度(322人)に比べ、2倍以上の候補者を協会に招待。この大量招待の背景には、以前から白人もしくは男性に偏っていると問題視され続けていたアカデミー会員の構成を見直そうという協会側の動きと関係している。同問題は今年開催された第88回アカデミー賞で、俳優部門にノミネートされた20人が2年連続で全員白人だったことをきっかけに再度批判の声が大きくなり、アカデミー側は2020年までに女性や黒人など少数派のアカデミー賞選考メンバーの数を現在の2倍にすると発表していた。
今年の候補者のリストを見ていると、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のジョン・ボイエガ、『パシフィック・リム』のイドリス・エルバ、『ハリー・ポッター』シリーズのエマ・ワトソン、『ドリームガールズ』のアニカ・ノニ・ローズ、『マトリックス』のラナ&リリー・ウォシャウスキー姉妹、イ・ビョンホン、ホウ・シャオシェン監督などと男性女性や人種を問わず幅広い映画関係者を招待しようという協会側の努力が見られる。The Hollywood Reporter によると、現在のアカデミー会員の割合は92%が白人、75%が男性だが、今回のリストに挙がった全員が会員になった場合、その比率は白人が89%に、男性が73%に減少するという。
だが、招待されたからといって全員がアカデミー会員になるわけではない。賞の選考には対象作品の鑑賞などで多くの時間を割かれるため負担も大きい。実際、以前同会員の候補になった高畑勲監督と宮崎駿監督は、二人とも辞退している。(編集部・井本早紀)