山下真司「スクール・ウォーズ」汚せない 泣き虫先生イメージ守って30年以上
1984年に放送され一大ブームを巻き起こした青春ドラマの金字塔「スクール・ウォーズ」がHDリマスターによるブルーレイとして復活、主人公の熱血教師・滝沢賢治を演じた俳優の山下真司が、ドラマへの変わらぬ思いを語った。
ラグビー元全日本メンバーの滝沢賢治が、校内暴力で荒れる川浜高校に着任、「信は力なり」をモットーに、全く無名の弱小チームだったラグビー部をわずか数年で全国大会優勝に導くまでの軌跡を描いた本作。30年以上もの時を経てなお多くの人に愛される同作について山下は「寂しいという心は不良たちも同じなんだと思う。そういった子供たちに、ラグビーを通じて、仲間から信頼される喜び、達成感を持ってもらうことがどれだけしあわせなことか……」と語るや、涙を浮かべながら「ダメだな。泣けてくるな」とぽつり。
劇中の“泣き虫先生”同様、山下自身も熱く、そして涙もろいようだ。「ファンの方も滝沢賢治として声をかけてくれることが多くて。それはすごくうれしいことなんだけど、逆に責任も感じてしまうよね」という山下は、「ずっと『スクール・ウォーズ』を引きずっている部分もあるんですよ。こういう話をしているとつい、泣きグセが出ちゃって。スイッチが入るんだよね」と笑ってみせる。
また、その後の役者人生において“滝沢先生”のイメージを壊すような教師の役は受けなかった、と切り出した山下は、「それだけインパクトのある作品に関わることができたということだから、ラッキーなこと。だから変なことでニュースになってしまったら、『スクール・ウォーズ』を汚すことになる。プレッシャーでしたね」と語る。
その思いは、小沢仁志、松村雄基ら共演者たちも同じである……と感じているようで、「彼らとの絆はあの時からずっと続いているし、みんな同じ責任感を抱いていると思うから、裏切れないと思うよ」とコメント。さらに「これは生きることを賛歌するドラマだし、スタッフやキャストは真剣に向き合っていた。カメラマンなんかは撮影しながら泣いていたしね。みんな真剣で情熱を持ってやっていたからこそ、30年以上たっても残っているんだと思う」と付け加えた。
くしくも今年度からは、本ドラマのモデルとなった伏見工業高校が京都市立洛陽工業高校と統合し、京都市立京都工学院高校が開校。来年からは在校生も編入され名称も消滅してしまう。「伏見工業というのは『スクール・ウォーズ』ファンの方ならよく覚えていると思うので、学校の名前が変わるのは寂しい。でも、受け継がれる校風はきっと変わらないと思います」と力強く語った。(取材・文:壬生智裕)
「スクール・ウォーズ Blu-ray BOX」は9月7日より発売(3万3,600円+税)