『キングコング対ゴジラ』4K版上映!ファン集結し拍手!
『ゴジラ』シリーズ初のカラー作品『キングコング対ゴジラ』4Kデジタルリマスター版が14日、ゴジラヘッドがランドマークとなっているTOHOシネマズ新宿にて上映され、熱狂的なゴジラファンが集結した。
ゴジラファンから“キンゴジ”の愛称で呼ばれる同作は、1962年の公開時に二大怪獣の対決が話題を集めて大ヒット。2020年にはハリウッドによるリメイク版の公開が予定されている。これまで一部フィルムの行方がわからず、欠損分は16ミリフィルムで補完したバージョンしかなかった同作だが、このたび長らく失われてきたネガフィルムを発見。全編を4Kスキャンで取り込み、デジタル技術と人の手を使った緻密な修復作業が行われた。その美しくよみがえった映像をスクリーンで上映するという貴重な機会とあって、この日のチケットには多数の応募が殺到。会場に熱心なゴジラファンたちが駆けつけた。
上映会には芸能界屈指のゴジラファンだという佐野史郎、『シン・ゴジラ』で監督を務めている樋口真嗣、チキロ(同作に登場する少年)を演じた平野治男、“キンゴジ”に特撮助手として参加した特技監督の中野昭慶も来場。「デジタル技術というのはどうなってるんだと言いたいよね」と切り出した中野は、「博士役の平田昭彦が記者から質問を受けるカットで、真冬の撮影だったんでクローズアップ用に霧吹きで汗を苦労して作ったのに、初号(試写)を観たら何も映っていなかった。でもそれが今回はまともに映っている。僕はただひたすら驚いた」とコメントした。
特撮映画が鮮明になると、時には造形物をつり下げるピアノ線などの仕掛けなどが見えてしまうこともある。「僕たちスタッフも背景に合わせて必死になって線を消すようにはしたんですけど、あの人(特技監督の円谷英二)は『映ってしまったものはしょうがない』という人だった」と振り返った中野は「でも今回はあまり見えなかった。デジタルで消してくれてるんだよね?」と関係者に質問。すると修復を担当した東京現像所の担当者が「消していません! 消すとここにいる皆さん(ファン)が怒りますから」と返答し、会場からは大きな拍手がわき起こった。
その後、いよいよ4K版の『キングコング対ゴジラ』がスクリーンで上映され、「タイトル」「円谷英二」「本多猪四郎」の名前がスクリーンに映し出されるたびに会場からは拍手が。そして鮮明になった“キンゴジ”を堪能したゴジラファンたちは、上映終了後に再び大きな拍手を送っていた。(取材・文:壬生智裕)
映画『キングコング対ゴジラ』完全版4Kデジタルリマスター版は日本映画専門チャンネルにて7月16日から30日まで複数回放送予定