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『シン・ゴジラ』庵野秀明のこだわり!恐ろしい目の秘密とは

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大きくむかれた目の秘密は! 庵野総監督が生んだ『シン・ゴジラ』! ※画像は着彩検討用の「シン・ゴジラ2号雛型」
大きくむかれた目の秘密は! 庵野総監督が生んだ『シン・ゴジラ』! ※画像は着彩検討用の「シン・ゴジラ2号雛型」

 大ヒットアニメ「エヴァンゲリオン」の庵野秀明が脚本・総監督を務めた『シン・ゴジラ』(7月29日公開)で、新たなゴジラのデザインと雛型模型を担当した造形家の竹谷隆之が、庵野総監督の物作りにかける姿勢と、ゴジラのデザインの裏側を語った。

 2014年の暮れ、本作のオファーを受けたという竹谷。打ち合わせでは、前田真宏(ゴジラコンセプトデザイン)のコンセプトスケッチをもとに、「具体的なゴジラの形を図面ではなく立体物として完成させたい」との要望が伝えられた。「その時に庵野さんが持ってきたのが、初代ゴジラのフィギュア。初代へのリスペクトにしたいということでしたが、単に形をなぞるのではなく、初ゴジのいいところを吸収しながらデザインしてほしいということでした」。

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早く大暴れが観たい! 竹谷制作の「シン・ゴジラ2号雛型」

 4月にデザインが公開されると、従来のイメージを保ちつつ、過去のゴジラとは一味違った恐怖を醸し出す姿は大きな話題を呼んだ。庵野総監督の提示したコンセプトは“完全生物”。竹谷は「庵野さんが作る物には全て理由があるんです。警戒する必要がないから耳はいらないとか。ですからデザインもそんな法則に則っています」と語った。

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 感情が全く読めない恐ろしい目のモデルになったのは、人間。竹谷は「庵野さんは目にも強いこだわりを持っていて、『人間の眼でいこう』ということになってから白目と黒目の比率をとても慎重に吟味されていました。生き物の中で人の目がいちばん恐いと」と証言する。

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シン・ゴジラの雛型模型を担当した竹谷隆之

 また、黒いボディーに、まだら模様のように赤い色が走るカラーは、庵野総監督によると、「痛々しい血のイメージとマグマのイメージ」だという。ちなみに、竹谷がゴツゴツとした皮膚の参考にしたのはゴーヤ。「庵野さんの“ただれて崩壊しかけたような皮膚”という要望が、縦のラインの中にランダムにイボがあるゴーヤが近いのかなと。うちで植えているゴーヤを型取りしたものを見せたら『これこれ、こんな感じ』と決まったんです(笑)」。

 大局を見ながら細部にも徹底してこだわる庵野総監督との仕事に、竹谷も喜びを感じていたようだ。同作について「庵野さんじゃないと出来なかったんだろうと思いました」と振り返ると、「庵野さんは質問したことには必ず説明してくれるし、そこは適当にやっていいですから、とは一言も言わない。それは物を作る人間としては当たり前で、特に監督は我慢する仕事じゃありません。表現したいモノを、できるだけ理想の形に近づけるのが仕事なんだと思います。庵野さんはそれを貫くことができるんですね、きっと」と満足そうに語った。(取材・文:神武団四郎)

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