『時かけ』野外上映、トラブル起きるも大盛況!国立博物館前が人で埋まる
東京・上野にある東京国立博物館で16日夜、細田守監督のアニメーション映画『時をかける少女』の野外上映イベントが行われ、途中機材トラブルに見舞われつつもスタッフの機転などで乗り越え、博物館前が千人以上の人で埋まるほどの大盛況を博した。
先日15日に、2006年の公開初日から10年を迎えた『時をかける少女』。そのアニバーサリー企画として、15日より二日間、映画の舞台である東京国立博物館で上映会イベント「『時をかける少女』10th Anniversary“博物館で野外シネマ”」が実施されることに。だが15日はあいにくの雨により急きょ野外から屋内に会場を変更。そのため最終日の16日にようやく野外でイベントを開催することが可能になった。
しかし野外という環境もあり上映中、2度ほどスクリーンに画像が映らないという機材トラブルが発生。特に観客からすすり泣くような声が聞こえ始めたクライマックスシーンで上映が中断された際には、客席側から大きなため息が。だがスタッフの「大変良い場面だったのですが……」と観客の気持ちをくんだアナウンスにより、会場は笑いとともに再び和やかな雰囲気に包まれ、上映が再開された際には自然と場内から大きな拍手が沸き起こった。
同日には、主題歌を歌った歌手・奥華子のミニライブや、KADOKAWAの千葉淳プロデューサーとスタジオ地図代表の齋藤優一郎プロデューサーによるミニトークイベントも開催。奥による劇中挿入曲「変わらないもの」はすぐにできたが、主題歌「ガーネット」は7曲目でようやく完成したという裏話も出つつも、齋藤プロデューサーが上映イベントを振り返り「あまりにもこの聖地(東京国立博物館は『時をかける少女』の舞台にもなっている)のパワーがすごすぎて、2回タイムリープのところで落ちてしまうという……本当に失礼いたしました」と謝罪し、会場から温かな笑い声が出る一幕も。
また齋藤プロデューサーはトーク中、作品が10年間愛され続けたことに「皆さんのおかげだと思います」と感謝しきり。その中で野外上映や現在渋谷PARCOでオープン中のコラボカフェ「時をかける少女カフェ」を行ったきっかけには、若い世代に触れてほしいという気持ちがあったと話し、「細田監督が『時をかける少女』を作った時、今もそうだと思うんですけれども、未来というものを考えたときに、やはり若い人たち、10代20代の人こそが未来そのものなんだと。そういう人に向けての『時をかける少女』なんです」とコメント。その気持ちがかなったように野外上映には、若い男女の姿も多く見られていた。上映会は21時半ごろまで行われたが、上映後にはそのまま東京国立博物館に『時をかける少女』の特別展示を観に行く人の列ができあがり、上映に駆け付けたそれぞれの世代にとって思い出深い一夜となったようだった。(取材・文:編集部・井本早紀)