ゴジラ役は野村萬斎!狂言のDNAが入った!公開初日に発表
狂言師の野村萬斎が映画『シン・ゴジラ』でゴジラを演じていたことが、29日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた同作の初日舞台あいさつの場で明らかになった。この日は長谷川博己、竹野内豊、石原さとみ、高良健吾、樋口真嗣監督が出席した。
【初日舞台あいさつの様子】長谷川博己、竹野内豊、石原さとみがゴジラポーズ
本作は、アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の庵野秀明が総監督と脚本を、樋口真嗣が監督と特技監督を務める『ゴジラ』シリーズ最新作。118.5メートルという史上最大のスケール&フルCGのゴジラも話題になっているが、このゴジラをモーションキャプチャで演じていたのが野村だったのだ。
ビデオメッセージを寄せた野村は「皆さん、わたしがどこに出ていたか。実はタイトルロールの役をやったのがわたしでございます。ということはゴジラだったわけですね。日本の映画界が誇るゴジラに、狂言のDNAが入っていてうれしかった」とコメント。
ゴジラのお面をつけた野村がゴジラの動きをし、関節に付けた印でその動きをコンピューターに取り込んだ。しっぽの重さも意識したという野村は「樋口監督からお電話が来た時は正直うれしかった。狂言の様式美を意識してくれて、人間くさいというよりは、神とか、幽霊とか、侵しがたい存在感を期待されたんだと思う。われわれの独特のゆったりした動きでゴジラを表現したいなと思いました」と述懐し、「出させてもらって。うっひっひ、という感じでございます」と笑顔を見せた。
樋口監督はゴジラをフルCGとすると決めたときに、野村の起用を考えるようになったという。「器の中に魂を入れたいというとオカルト的になるけれど……。そう考えてたときに『のぼうの城』で萬斎さんとご一緒して。その後も狂言を観に行った時に、狂言の演目で、妖怪だったりこの世ならざるものを演じたものがあって。その中でこの人ならいけるというのが見えてきた」と説明し、「あとは萬斎さんが全身タイツという恥ずかしい格好をしてくれるかということだけでした」と笑った。
長谷川も「東京で止まるシーンはまさに萬斎さんの止まり方だなと思いましたし、能というか、霊的な……おっしゃってたように、独特な、日本の伝統芸能が入って、メイドインジャパンだなというのを再確認したという感じです」、竹野内も「ハリウッド版のゴジラも素晴らしいし見応えがありましたけど、今回のシンゴジラに関しては絶対にまねできない。狂言の動きや、腰の位置だったりとか、まねできないですよね。メイドインジャパン感がすごくあるのが観ていてうれしかったし、興奮しましたね」と萬斎ゴジラを絶賛していた。(取材・文:壬生智裕)
映画『シン・ゴジラ』は全国公開中