初公開これが『ブレードランナー』続編の世界!コンセプトアートが美しい
今年2月、リドリー・スコット監督の『ブレードランナー』の続編が34年の歳月を経て映画化が決定したというニュースが世界中を駆け巡り多くのファンを沸かせたが、このたびその独特な世界観の一端を垣間見ることができるコンセプトアートが公開された。1982年に公開された『ブレードランナー』を彷彿させる、アジアの場末感漂う色彩鮮やかなネオン街、そして雑踏にまぎれる一人の男が何かを物語っているかにも見える絵画のような完成度の高さだ。
オリジナルの『ブレードランナー』は、フィリップ・K・ディックの小説「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」を原作に、リドリー・スコット監督が近未来の独特なイメージを作り上げ、その後のさまざまなカルチャーに影響を与え続けた、SF映画の金字塔だ。物語は2019年の米ロサンゼルスで、人間社会にまぎれ込んだアンドロイド=レプリカントを追う捜査官デッカード(ハリソン・フォード)の追跡劇を軸に展開していく。
続編は、1982年公開のオリジナル作品から数十年後の世界が舞台。主人公リック・デッカードは前作と同じくハリソン・フォードが演じ、製作総指揮にはリドリー・スコット。監督は、『プリズナーズ』『ボーダーライン』などで独特の映像美と世界観が高く評価されているドゥニ・ヴィルヌーヴが務め、ライアン・ゴズリング、ロビン・ライトが出演することが発表されていたが、詳細は明らかにされていなかった。
『ブレードランナー』といえば、アジアの不夜城を思わせる色とりどりのネオン、そして雨のイメージは外せないが、コンセプトアートはその二つのイメージを表現している。雨上がりなのか、路面はぬれており、アスファルトにネオンが反射している。そして熱気かもしくはスモッグで人々のシルエットがかすんでいる雑踏を一人の男が孤独に歩を進めているようにもみえる。
ヴィルヌーヴ監督は、幼少のころから独特な世界観の映像スタイルを持つSF映画が好きで、その中でもオリジナルの『ブレードランナー』は史上最高の傑作だったと明かす。『ブレードランナー』を初めて観たとき、「あの音楽、2019年のロサンゼルス、スモッグ、ダークな雰囲気。あの映画を観て、映画監督になりたいという思いが芽生えたんだ」と語る。そのヴィルヌーヴ監督が一作目『ブレードランナー』の延長線上にある続編を撮るということは、あの世界観をそのまま引き継いでくれることは間違いないだろう。それに加え現代の映像技術を駆使し、どのような映像に仕上げてくるのか楽しみだ。(編集部:下村麻美)
『ブレードランナー』(仮題)の日本公開は、2017年11月