BBC選定“21世紀の偉大な映画”はコレだ!『千と千尋の神隠し』が4位!
イギリスの大手メディアBBCが「21世紀の偉大な映画ベスト100」を発表。栄えある1位に輝いたのは、鬼才デヴィッド・リンチの『マルホランド・ドライブ』で、日本からは唯一、宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』が4位にランクインした。
リンチの最高傑作とも言われる1位の『マルホランド・ドライブ』は、ハリウッドを舞台に、禁断の愛に溺れていく2人のヒロインを斬新に描いたミステリーロマンス。欲望と謎が渦巻く出口のない迷路へ観客を引きずり込む、独特のリンチワールドが炸裂している。
4位には、アニメーション作品としてはトップの『千と千尋の神隠し』が選出。豚に変えられた両親を人間に戻すため、精霊の世界へ迷い込んだ少女の成長と友愛を描いたファンタジーで、日本作品では唯一のランクインとなった。監督別に見ると、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』などのポール・トーマス・アンダーソン、『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』などのジョエル&イーサン・コーエン兄弟、『グランド・ブダペスト・ホテル』などのウェス・アンダーソン、『ブンミおじさんの森』などのアピチャッポン・ウィーラセタクン、『インセプション』などのクリストファー・ノーラン、『白いリボン』などのミヒャエル・ハネケがそれぞれ3作品のランクインを果たしている。
また、21世紀に入って一大旋風を起こした『ハリー・ポッター』や『パイレーツ・オブ・カリビアン』といった超大作シリーズの作品が順位に入ることはなかったが、日本でも話題となったジョージ・ミラー監督のシリーズ最新作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』は19位の座についた。本ランキングは、37か国の映画批評家たち総勢177名に好きな映画を10作品あげてもらい、それに基いて決定。なお、「21世紀の」と題しているが、2000年も含んでいるとのこと。主催者たちによれば、昨年発表した「偉大なアメリカ映画ベスト100」に、2000年以降の作品がたったの6作しか選ばれなかったことに驚き、昨今の作品で後世に語り継がれる名作とは、一体何なのかを考えるきっかけになればと思い、今回の企画を実施したとのこと。(編集部・石神恵美子)
21世紀の偉大な映画ベスト100(10位まで抜粋)
1.『マルホランド・ドライブ』(2001、デヴィッド・リンチ)
2.『花様年華(かようねんか)』(2000、ウォン・カーウァイ)
3.『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(2007、ポール・トーマス・アンダーソン)
4. 『千と千尋の神隠し』(2001、宮崎駿)
5.『6才のボクが、大人になるまで。』(2014、リチャード・リンクレイター)
6.『エターナル・サンシャイン』(2004、ミシェル・ゴンドリー)
7.『ツリー・オブ・ライフ』(2011、テレンス・マリック)
8.『ヤンヤン 夏の想い出』(2000、エドワード・ヤン)
9.『別離』(2011、アスガー・ファルハディ)
10.『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』(2013、ジョエル、イーサン・コーエン)