アジアの才能競演!東京国際映画祭が初製作するオムニバス映画
第29回東京国際映画祭
今年29回目を迎えるアジア最大級の映画祭「東京国際映画祭」が初めて手がけたオムニバス映画『アジア三面鏡2016:リフレクションズ』の予告編映像が公開され、アジアを代表する監督・俳優が競演した作品の一部が明らかになった。「アジアで共に生きる」をテーマに製作された作品に日本からは、行定勲監督、津川雅彦、永瀬正敏、加藤雅也らが参加している。
同映画祭と国際交流基金アジアセンターが共同製作する本作は、アジアに生きる人々を3名のアジアの監督がそれぞれの視点から描くことで、その向こうに浮かび上がるそれぞれの国の社会や文化を三面鏡のように映し出し、アジアに生きる隣人としてお互いがお互いを知り、理解し、共感し、アジア人としてのアイデンティティや生き方を模索する契機になることを目指す「アジア三面鏡」プロジェクトの第1弾作品。『世界の中心で、愛をさけぶ』などの行定監督、『キナタイ -マニラ・アンダーグラウンド-』のブリランテ・メンドーサ監督(フィリピン)、『遺されたフィルム』のソト・クォーリーカー監督(カンボジア)が国境を超えて一つの作品を作りあげている。
公開された予告編は、メンドーサ監督の『SHINIUMA Dead Horse』から始まり、『ボーン・レガシー』(2012)などハリウッドでも活躍するフィリピンの名優ルー・ヴェローソが、日本を不法滞在で追われ、故郷フィリピンに数十年ぶりに帰ることになった男を怪演している。続いて行定監督の『鳩 Pigeon』では、津川演じる日本からマレーシアに移住し鳩舎のある屋敷で孤独に過ごす老人に息子役の永瀬が鬼の形相で迫る。クォーリーカー監督の『Beyond The Bridge』では加藤が、宮本亜門が2015年に手がけた舞台「ライ王のテラス」にも出演していたチュムヴァン・ソダチヴィーとともに濃厚なラブストーリーを紡いでいる。
映画という共通言語のもとにアジアの才能が集結してアジアの過去と現在を映し出し、アジア人としてのアイデンティティや生き方を問いかける同作は、10月26日に東京国際映画祭にてワールドプレミア上映が行われる予定だ。(編集部・海江田宗)