トム・ハンクス、不時着事故に居合わせた日本人に驚き!
クリント・イーストウッド監督最新作『ハドソン川の奇跡』の来日記者会見が16日、都内で行われ、主演を務めたトム・ハンクスが映画の題材となったUSエアウェイズ1549便に搭乗していた日本人の滝川裕己さんと出口適さんと対面し、「(不時着した1549便の中に日本人がいたことを)さきほど初めて知りました」と驚きの表情を見せた。
本作は、2009年1月15日にニューヨーク上空で起きた、突然の航空機エンジントラブルという絶望的な状況の中、サリー機長(トム)とジェフ副操縦士(アーロン・エッカート)の経験に基づくとっさの判断でハドソン川に不時着させ、乗客全員を助け出した実話を描いた物語。
この日アーロンと共に会見に出席したトムは、実際に不時着した飛行機の乗客に日本人がいたことに「とても驚きました」と語ると、「ちゃんと荷物が戻ってきたかどうか知りたい」とユーモアを交えてトーク。アーロンも「実際乗り合わせていた人の話を聞くのは興味深いです」と滝川さんと出口さんに興味しんしんの様子だった。
また撮影時を振り返り、トムが「詳細にこだわりました。こちらが勝手に脚色したり、飾りつけることなく、正確に描かなくてはいけないという思いのもと、真実のDNAがしっかり含まれていることが大事だったのです」と映画に込めた思いを明かすと、作品を鑑賞した滝川さんと出口さんは「あの事故を経験した人間から見ても、すごくリアルで、事実が忠実に描かれていました」とコメント。イーストウッド監督やトムらの意思がしっかりと作品に反映されていることを証明していた。
映画では、人々の命を救ったサリー機長は「不時着以外の選択肢はなかったのか?」と事故調査委員会から“容疑者”という扱いを受け、苦悩する場面が物語の中心になっているが、その事実について出口さんも滝川さんも、作品を観るまで知らなかったという。さらにトムから質問されていた「荷物」について二人は、「時間はかかりましたが、クリーニングやしっかり個別包装されてすべて戻ってきました」と答え、周囲を驚かせていた。(磯部正和)
映画『ハドソン川の奇跡』は9月24日より全国公開