米政府スパイ行為を暴露!元CIAスノーデン、プライバシーは「魂の権利」
NSA(米国家安全保障局)の個人情報収集の秘密を告発した元CIA職員エドワード・スノーデンが、新作『スノーデン』(2017年1月27日日本公開)について、9月14日(現地時間)にニューヨークのAMCリンカーン・スクエア開催の試写後のQ&Aで語った。
本作は、NSAが極秘の通信監視プログラム「PRISM」を使用して、個人情報を秘密裏に収集していたという実態を、元NSA職員エドワード(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)が告発した事実を、彼の心情や恋人リンゼイ・ミルズとの関係を交錯させて描いたもの。映画『プラトーン』のオリヴァー・ストーンが監督を務めた。
ジョセフの演技についてエドワード本人は「僕はプライベートを重視する男なので、本作を手掛けたクルーや監督、さらにジョセフの演技からもプライベートを大切にしている感覚が伝わってきて、それらは僕を安心させてくれた。もちろん、(ジョセフは)僕ではないし、僕も自分をしっかり把握できていたわけではない。ただ、ストーリーの構成は僕の人生に近いもので、僕が見いだした価値観は(映画内で)捉えられていた。少なくとも僕の両親は本作を気に入ってくれたよ」と明かした。
日本駐在時の恋人リンゼイとの関係について「そのような質問には、世界中で最悪のボーイフレンドである僕(リンゼイの個人情報もNSAに暴かれた)は、どう答えて良いかわからない(笑)。どんな恋愛関係も、誰にでも葛藤はある。特にそのときの僕らの関係は、お互いが米国の自宅を離れ、駐在先の国(日本)では、その言語(日本語)をろくに話せず、多くの時間共に居るだけだった。仕事の関係上、彼女に秘密を明かせず、恋愛関係も続けることは難しかった」と語った。
個人情報に関してのプライバシーとは「プライバシーは何かを隠すためのものではない。何かを守るためにあるもので、それは君たち自身であり、自分が信じていることでもあり、さらにこれから自分がなりたいものでもある。要するにプライバシーはわれわれの魂の権利だ。われわれに能力をくれ、その能力によって自分がどういう人物であるのかを、自分の思うままに世界と共有し、そして自分が何になりたいかを理解してもらう。もしプライバシーがなければ、間違うこともできず、それに自分自身でいることもできない。プライバシーこそ、すべての権利の源だ。だから言論の自由は、(家やコミュニティーなどの)静かな場所でも確保できなければ意味を持たない」と説明した。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)