ニコール・キッドマン、もはやハリウッドは存在しない
第41回トロント国際映画祭
ニコール・キッドマンが現地時間11日、実話を基にした感動作『ライオン(原題) / Lion』の会見(第41回トロント国際映画祭)に出席し、映画祭の重要性や現在のハリウッドについて語った。
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インドで5歳のときに迷子になって孤児としてオーストラリア人夫婦のもとに引き取られたサルー・ブリアリーさんが、25年後、Google Earth の衛星写真で実の家族を捜し出したという実話を基にした本作。青年になったサルーには『スラムドッグ$ミリオネア』のデヴ・パテル、その恋人にはルーニー・マーラ、サルーのオーストラリアの母親にはニコールがふんしている。CM・テレビ業界で活躍してきたガース・デイヴィス監督の長編デビュー作だ。
ストーリーとからめて自身がハリウッド進出でオーストラリアを離れたときのことを聞かれたニコールは、「こんな感じ(サルーのような)ではなかったわ」と笑う。「どちらにも足を突っ込んで、行ったり来たりしていたから」とその理由を説明し、「わたしは世界の一部だと感じている。だから監督やストーリー、人々を世界中から探しているの。それができる時代に生まれてラッキーだった。ひと昔前の俳優たちはそんなことできなかったから」とほほ笑んだ。
また、「ハリウッド」という概念はもはや存在しないと続けたニコール。「今や世界で映画は作られているし、ハリウッドは過ぎし日のもの。悲しくもあるけど、ある意味では世界がハリウッドになったということだと思う。わたしたちは世界のどこでもストーリーを語ることができる。それって素晴らしいわ」。
ニコールは「スタジオの大作やスーパーヒーロー映画ではない、小さな映画が人目に触れるのがとても難しくなってきている」と映画界の実情についても触れると、「今、映画祭はとても重要よ。わたしたちは、そうした映画が日の目を見るために助けを必要としている。だから映画祭に積極的に参加するの。わたしのキャリアは、トロントやカンヌ、ベネチア、サンダンスといった映画祭で発掘された小さな映画によって作られたから」と力を込めていた。(編集部・市川遥)
第41回トロント国際映画祭は現地時間18日まで開催