イーサン・ホークに生涯功労賞!
スペイン・バスク地方で開催中の第64回サンセバスチャン国際映画祭で、米俳優イーサン・ホークが生涯功労賞にあたるドノスティア賞を受賞し、現地時間17日、セレモニーが行われた。グレゴリー・ペックやアル・パチーノら過去の授与者を紹介したダイジェストビデオの後に登壇したホークは「紹介ビデオを見たらそうそうたる顔ぶれで。この賞をいただけることを光栄に思います。ムチャス・グラシアス(本当にありがとう)」とスペイン語を交えて感謝の言葉を述べた。
ドノスティア賞は映画界での長年の功績を称えて贈られるもの。ホークは今回、主演作『ブルーに生まれついて』(11月26日公開)と、『荒野の七人』をリメイクした話題作『マグニフィセント・セブン』(2017年1月27日公開)を引っさげて参加している。
また『恋人までの距離(ディスタンス)』(1995)から始まったリチャード・リンクレイター監督とのフィクションとドキュメンタリーの間をいく野心的なコラボレーションで知られる。『6才のボクが、大人になるまで。』(2014)では、ついにリンクレイター監督に第64回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(監督賞)をもたらすという大きな貢献を果たした。
ホークは壇上で、用意したメモを取り出すと「わたしにとって映画は人生の指針となるべきものであり、映画祭は神聖な場所です。わたしたちは今、この場に集い、映画への愛と信仰を分かち合っています。映画を愛する者たちに、国境はありません。多くの映画や芸術に触れることで、わたしたちは集団生活に欠かせないコミュニケーションを図ることが出来ると信じています」と力強く挨拶した。
ホークは今後も、リュック・ベッソン監督が手がけるSFコミックが原作の『ヴァレリアン・アンド・ザ・シティ・オブ・ア・サウザンド・プラネッツ(原題) / Valerian and the City of a Thousand Planets』への出演と、大作映画とインディペンデント映画の間をバランス良く行き来しながら精力的に活動している。
授賞式前に行われた記者会見でホークは、「これからも、もっともっと面白い映画に関わり続けていきたい。そして次回は、ぜひ自分の監督作でサンセバスチャン国際映画祭に参加したいと思っています」と久々の監督作への意欲を語った。(取材・文:中山治美)
第64回サンセバスチャン国際映画祭は9月24日まで開催