一青妙原作『ママ、ごはんまだ?』ワールドプレミア上映!名店シェフが絶品メニューを観客にふるまう
歌手・一青窈の姉で、歯科医師や女優としても活躍している一青妙のエッセイを原作にした映画『ママ、ごはんまだ?』が、スペインで開催中の第64回サンセバスチャン国際映画祭で現地時間20日、ワールドプレミア上映された。台湾人に嫁いだ亡き母の思い出と人生を、食を通して描いた本作は、映画祭名物のキュリナリー部門での上映で、鑑賞後に観客たちは映画にちなんだディナーを堪能した。
【写真】チャングロ蟹の餃子、豚足のテリーヌ、大根餅にちまき…映画にちなんだ絶品メニュー
サンセバスチャンは美食の街として知られ、人口約18万人の街に、ミシュランの星付きレストランが9店舗ある。この日は、飲茶で知られる「添好運」グループのエグゼクティブ・シェフ、チャン・ヤシン氏をシンガポールから呼び寄せ、地元のレストラン「ni new」のシェフ、ミケル・ガイヨ氏とのコラボレーション・メニューが提供された。
「添好運」で人気のチャーシュー入りメロンパンに始まり、地元のチャングロ蟹を使った餃子も。さらに『ママ、ごはんまだ?』の劇中に登場する一青妙の母・かづ枝さんが得意料理だった豚足を使ったテリーヌ、大根餅にちまきも登場。現地入りした白羽弥仁監督は「日本での撮影でも、本格的な台湾料理の食材を集めるのに苦労したのに、今日作っていただいた料理は、それをさらにバージョンアップし、気品も備えていたので感動しました」と2人のシェフとがっちり握手を交わした。
映画から多大なインスピレーションを得てメニューを考案したというチャン氏も「映画を観て改めて、皆で食卓を囲む喜び、そして、食事は単なる食べ物ではなく、母から子へと受け継がれていく遺産であり、価値あるものであるということを気づかせてくれました」と白羽監督に感謝の言葉を述べた。
今年のキュリナリー部門には、移転問題で揺れる築地市場に密着したドキュメンタリー映画『築地ワンダーランド』(遠藤尚太郎監督)など7作品が選出。最優秀作品には、TOKYO GOHAN AWARD(賞金1万ユーロ。約112万円。1ユーロ=112円換算)が贈られる。受賞作は現地時間23日発表。(取材・文:中山治美)
映画『ママ、ごはんまだ?』は2017年公開
映画『TSUKIJI WONDERLAND(築地ワンダーランド)』は10月1日より築地・東劇で先行上映、10月15日より全国公開