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魔法使いから活動家へ!大人になったエマ・ワトソンが、最新作の役柄に託した女性としての願いとは?

男女における平等な権利をテーマにした約10分間のスピーチで喝采を浴びたエマ・ワトソン
男女における平等な権利をテーマにした約10分間のスピーチで喝采を浴びたエマ・ワトソン - J. Countess / Getty Images

 『ハリー・ポッター』シリーズで優等生の魔法使いハーマイオニーを演じたエマ・ワトソン。あどけない少女から、美しい大人の女優へと成長した彼女だが、実は現在、1年間の休業をとりフェミニストとしての活動に力を入れている。その決意からは、ジェンダー平等を訴え続けている確固たる彼女の信念が伝わってくる。(森田真帆)

エマが体当たり演技!衝撃の真実を描く『コロニア』写真ギャラリー

 『ハリー・ポッター』シリーズを撮り終えたのち、彼女は名門ブラウン大学を卒業し、作品を厳選しながら女優業を続けてきた。そんなエマが休業前に撮り終えた作品が、最新作『美女と野獣』とともに選んだ『コロニア』(公開中)だ。

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 本作の舞台は1973年チリ。エマは、当時実在した脱出不可能のカルト教団施設コロニア・ディグニダに囚われてしまったジャーナリストの恋人を救い出そうと施設に単身潜入するキャビンアテンダントを演じている。

 厳しい拷問に泣き叫ぶこともなく、凛として耐える気丈なヒロインを演じているエマだが、その役柄からは彼女の強い信念が伝わってくる。現在フェミニストの活動家としても知られているエマは、2014年、国連における女性の権利のための機関「UN Women」の親善大使に任命され、「He For She」というキャンペーンでは男女における平等な権利をテーマにした約10分間のスピーチをして喝采を浴びた。

 以来、自身のツイッターやFacebookを通してジェンダー平等についてファンと語り合う場を設けてきたエマ。国連のスピーチで「男女ともに繊細でいられる自由があり、男女ともに強くられる自由がある」と語った通り、囚われた男を救い出し、拷問されても泣いたりしない主人公の強さは、これまでのハリウッド映画に多く見られた、ステレオタイプなか弱きヒロイン像をぶち壊す印象的な役柄だ。だが皮肉なことに、本作の予告編が公開された時にメディアが騒いだのはたった数秒のキスシーンと彼女のヌードが映るセクシュアルなシーンばかり。そしてネットには彼女の顔写真を悪用した合成のヌード写真が数多く存在している。「あのハーマイオニーが脱いだ」という言葉が何度言われてきただろう。26歳となった彼女は、ハーマイオニー役で作られた「優等生のかわいい女の子」というイメージとの闘いから、いまだに逃れられないでいるのだ。自身が幼い頃から性的な対象として見られることに悩まされてきたエマは、今月行われた国連で再びスピーチをし、大学内でのレイプ被害の撲滅を世界に向けて訴えた。

 今後も、彼女はまだまだ戦い続けなければならないだろう。今月20日には、エマの弁護団が彼女のプライベートでのセミヌード写真を無断で掲載したウェブサイトに抗議文を送り写真を削除させたことをTMZ.comが報じた。この件についてエマ本人からのコメントは出ていないが、凛とした姿勢で戦い続ける彼女は、今後も逆境に負けることなく、強く知的な女性へと輝きを増していくことだろう。

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