血に染まった島ペリリュー島での戦いに迫る実録映画
太平洋戦争中に起こった旧日本軍とアメリカ軍の「ペリリュー島の戦い」に迫ったドキュメンタリー映画『追憶』の予告編が公開され、南太平洋パラオ諸島に浮かぶ小さな島で起こった壮絶な戦いの一部が明らかになった。
1944年11月、70日に及ぶ激戦の末、旧日本軍、アメリカ軍、あわせて1万人を超す命が散ったペリリュー島。昨年4月には天皇・皇后両陛下が訪問され、慰霊碑で戦没者を追悼された。本作は70年前の激闘にアメリカの国防総省や国立公文書館に残る資料や、ペリリュー島で戦った元旧日本兵や元アメリカ軍海兵隊兵士の証言などから迫るドキュメンタリー作品。当時の旧日本軍守備隊を指揮した中川州男大佐について書かれた「愛の手紙 ペリリュー島玉砕 中川州男大佐の生涯」が基になっている。
美しい現在のペリリュー島の映像から始まる予告編では歌手・俳優・演出家として活躍している美輪明宏による語りとともに、思わず目を覆いたくなる戦争の映像が次々と映し出される。また、戦いに参加していた元日本兵や元アメリカ海兵のほか、戦いのことを知るペリリュー島の島民も当時のことを日本語で振り返っている。
『天心の譜(しらべ)』などの小栗謙一が監督を務めた本作は、約70年前に確かに起こってしまった戦争の空しさと悲惨さを、現代を生きる日本人に訴えかけてくる。(編集部・海江田宗)
映画『追憶』は11月5日公開