52歳米モデルのホームレス生活に密着したドキュメンタリー来年1月公開
ファッションモデル兼フォトグラファーというきらびやかな業界に身を置きながら、6年もの間ホームレス生活を送る52歳の男の生きざまを追ったドキュメンタリー『ホームレス ニューヨークと寝た男』が来年1月に公開される。
華やかなパーティー会場を後に男が向かったのは、ペントハウスではなく雑居ビル街のアパートメントの屋上だった……! 188センチの高身長とチャーミングなルックスを兼ね備えブランド物の高級スーツをまとった姿からはとても想像できないが、その男マーク・レイは家を持たない。
ニュージャージー州出身、5人家族の中で育った彼は高校時代にはスポーツに励み、チャールストン大学経営学部では教養課程の学位を取得。卒業後、輸入業に就いたのち、ヨーロッパでモデルとして活動をスタートし、2007年にアメリカに戻りファッション・ウイークの期間中「Dazed & Confused(デイズド・アンド・コンフューズド)」誌用の写真を撮影。その後ニューヨークでファッションモデル兼フォトグラファーとして働きながら、ホームレス生活をするようになった。
本作が生まれたきっかけは、自身もファッションモデルでマークの友人でもあるオーストリア出身のトーマス・ヴィルテンゾーン監督が、マークから“秘密”を打ち明けられたこと。驚いたトーマス監督はファッション業界の裏事情や新しいライフスタイルを象徴するものとして、家族や恋人も持たず厳しい競争社会で生き残るためにホームレス・スタイルを編み出したマークに密着したドキュメンタリーを製作する決意をする。音楽を、クリント・イーストウッドの息子として知られ『グラン・トリノ』(2008)などに参加してきたカイル・イーストウッドが手掛けていることでも注目を浴びている。(編集部・石井百合子)
映画『ホームレス ニューヨークと寝た男』は2017年1月28日よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開