ボツワナ王子とイギリス女性が禁断の恋…デヴィッド・オイェロウォ&ロザムンド・パイクで映画化
第60回ロンドン映画祭が現地時間5日に開幕し、オープニング作品『ア・ユナイテッド・キングダム(原題) / A United Kingdom』のアマ・アサンテ監督と主演のデヴィッド・オイェロウォ(『グローリー/明日への行進』)ほかキャストが会見を行った。1947年に周囲の反対を押し切って結婚したアフリカ・ボツワナ王子セレツェ・カーマとイギリス人女性ルース・ウィリアムズの実話を基にした作品だ。
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セレツェを演じ、プロデューサーの一人でもあるデヴィッドは、映画化を進めることになったきっかけについて「スーザン・ウィリアムズによる(セレツェとルースについて書かれた)『Colour Bar』という本の表紙にある“トレンチコートの男性とその横の美しい女性”の写真に心をとらわれた」とコメント。その美しいイギリス人女性ルースを演じたのが、『ゴーン・ガール』のロザムンド・パイクだ。映画の最後には、ボツワナの民主化を進めた人物としても知られる実際のセレツェとルースの写真が映し出され、感慨を呼ぶ。
当時はアパルトヘイトの時代でもあり、別れさせようとする圧力が強まる中、ますますつながりを深めていった二人を演じるにあたり、ロザムンドとの間のテンションをどう保ったか問われたデヴィッドは「その質問には注意深く答えなきゃ。なにしろ妻が並んでいるから……」と監督を挟んで並んだロザムンドより、その向こうに陣取る実生活での妻・ジェシカをうかがう素振りで笑わせた。ジェシカも、二人を別れさせようとする一人として出演している。
本映画祭主催の英国映画協会(以下BFI)では、現在「ブラック・スター」と銘打ち、黒人スターにスポットを当てた特集を組んでいる。「あなたはオープニングの輝けるブラック・スターですね」と明らかにデヴィッドに向けられた称賛に、「トム?」とトム・フェルトンの方を振り向き、とぼけて見せたデヴィッドに大爆笑となる場面もあった。ハリー・ポッターの敵役としておなじみのトムは、本作でもセレツェの統治を阻もうとする役柄を務めている。
このところBFIは差別をテーマとしているようで、昨年の本映画祭では女性に焦点を絞り、参政権を求めて立ち上がった女性たちの生きざまを描いたサラ・ガブロン監督作『未来を花束にして』で開幕した。それに続き、女性監督として開幕を飾ったアサンテ監督は「女性はマイノリティーではありません。(全人口の)50%いるのですから。女性監督が1.4%だった時代、そして7%までになった時代と確かによくなってはきていますが、十分ではありません」と述べ、拍手を浴びた。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)
第60回ロンドン映画祭は現地時間16日まで開催