ペッグはキュートな英国紳士の域を超えてる!長年タッグのJJ熱弁
2006年の『M:i:III』をきっかけに、長年にわたるコラボレーターとなったJ・J・エイブラムスとサイモン・ペッグが先月、『スター・トレック BEYOND』のプロモーションのためにそろって来日。ペッグフィーバーに沸く日本を目の当たりにしたエイブラムスは、嫉妬心を見せつつも(?)、ペッグとの出会いから魅力までを語った。
今年で約10年の付き合いになったペッグと来日したエイブラムスはインタビュー中、日本でのペッグ人気に話が及ぶと、すぐさま「僕はそんなの信じない」と真顔で否定し、嫉妬心をむき出しにするかのようなそぶりで笑いを誘う。続けざまに「サイモンとは長い間、働いて……もう7本の映画で一緒に仕事したかな。7本って、多すぎだな」とボソッとつぶやき、「いや、僕はサイモンを愛しているよ」と一人ノリツッコミを見せ、明らかに饒舌だ。
「僕が彼を知ったのは、『ショーン・オブ・ザ・デッド』だ。それから『SPACED ~俺たちルームシェアリング~』を観た。『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』もね。でも、『ショーン・オブ・ザ・デッド』のサイモンを見たときの衝撃はすごかった。彼の演技はなんていいんだろうってね。明らかに彼はおもしろいやつだけど、おもしろいってだけじゃないんだ。ちょっと芝居がかったようなシーンでも、素晴らしい才能を発揮していた。『オーマイゴット! この男すごいな!』って思って、だから『M:i:III』のときになんとかして彼に連絡を取ろうとしたんだ」と出会いを振り返る。
それがきっかけで『ミッション:インポッシブル』シリーズにとどまらず、本シリーズや『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』でもタッグを組んだ2人。それだけお互いを認め合っている証拠だ。「サイモンは……キュートな英国紳士っていうだけの域を超えているね。とてもおかしくて愛嬌のある人で、繊細な笑いのセンスを持っている。そういったことにとても好感を持てるんだ」と魅力を語る。
また、本作ではスコッティ役として出演しているだけでなく、共同脚本も務めている。「彼はたくさんのコメディー要素を作品にもたらしてくれた。それは彼自身がおもしろい人間だからというのもあるし、(本作でメガホンを取った)ジャスティン(・リン)と同じように、『スター・トレック』のキャラクターや世界観を愛していたからというのも大きい。自分の役であるスコッティだけじゃなく、ボーンとスポックが一緒にいたらどうなるかとか、キャラクターがどういうことを言いそうかとかね」と脚本家としての才能も称える。
そして、前作『スター・トレック イントゥ・ダークネス』では、ファンの間で語り継がれることになった伝説の事件が起きた。それは、ペッグと主演のクリス・パインらが、悪役として出演したベネディクト・カンバーバッチに、単なる日焼け止めクリームを空気中の放射物質から肌を守る「中性子クリーム」だと嘘をついたことから始まった“中性子クリーム事件”だ。疑うことなく教えられたままに「中性子クリーム」を変な風に塗り、中性子を落とすためには「中性子クリーム」をつけたうえでジャンプしなくてはと言われれば、その場でジャンプするベネディクトだった。
今作では、それを上回るドッキリをペッグは仕掛けたりしたのだろうか。「本作を撮影しているときに、僕はロサンゼルスで『フォースの覚醒』の編集をしていたから、あまりセットにはいけなかったんだ。でも、中性子クリーム事件ほどばかげたことが起こったとは思えないね(笑)」とやはりエイブラムスにとってもベストな出来事だったようだ。一方で、「キャストたちは本当に驚くほど、おもしろい連中なんだ。今回、アントン(・イェルチン)の悲劇的な死によってより一層、彼らの仲の良さに気が付いたし、あらためてその絆をありがたく思った。彼らが集って、アントンの家族や互いを支え合う光景はとても美しかった。一人一人の人間として、彼らは本当に素晴らしいと思った」と27歳の若さで今年急逝したアントンさんをしのぶとともに、本作のキャスト&スタッフ全員を誇る場面もあった。(編集部・石神恵美子)
映画『スター・トレック BEYOND』は全国公開中