戸田恵梨香、弥海砂役でへこんだ…『デスノート』当時の葛藤「ド素人でした」
映画『DEATH NOTE デスノート』の続編『デスノート Light up the NEW world』で再びミサミサこと弥海砂を演じた女優の戸田恵梨香(28)が、スクリーンデビュー作となった前作や、ミサミサ役への思い入れを語った。
前作に出演したころ、戸田はまだデビューしたばかりで「撮影を楽しむ余裕はなく、あったのは恐怖と緊張感だけ。最初の撮影はストーカーに追いかけられて息切れするシーンでしたが、他の人がセリフをしゃべっているときは自分の呼吸音が入ったらいけないと息を止めてしまい、録音部さんに『芝居を続けて』と(笑)。それくらいド素人でした」と当時を振り返って苦笑い。
完成した映画は大ヒットを記録、戸田の知名度も一気に上昇したが、本人は自分の演技に「たくさんへこんだし、なんてこった! と思いました(笑)」というから意外だ。それだけに10年後あらめてミサミサ役のオファーを受け、「あの演技が公開直前にテレビ放映され、世間に恥をさらすのかと……正直イヤでした!」と笑わせる。アイドルから女優に成長したミサの役づくりについても「どれくらい大人になったのか、あの危うさや明るさをなくしていいのか? などと、今までにないくらいに考えました」と打ち明ける。
同じキャラクターを再び演じることには「運がいいことに続編モノが多いので」と違和感はなかったらしい。問題は前作から10年の年月があることで、「リスキーですよね。原作があり、しかも漫画だから見た目にもベースがあって、どうしたもんやらと。もし10年という時間がなければゴスロリにツインテールで演じたと思うんですけど。大人になりすぎるとミサじゃない、戸田恵梨香じゃん! となっちゃうし……その狭間で揺れました」と告白する。
ギリギリまで悩んだ末、あのツインテールを連想させる、両サイドを高い位置で留めた髪型を自ら提案した。そして「大人になったミサの根底に何があるかを考えると、やはり月(藤原竜也)の存在抜きには成立しない。何が正義で何が悪か、月は正義なのか? という『デスノート』のテーマをあらためて問い直せるのがミサで、人間の弱さをどう出すかを考えていました」と役に強い思いを込めたことを明かす。
出来上がった映画については「作品全体としても世界観が広がり、エンターテインメント性が強まった」と手応えを感じているよう。また彼女にとって『デスノート』が特別な作品であるのも確か。それはやはり1作目の記憶からくるもので「かなりの負荷をかけられて多くを学んだ原点です。子供のころにお世話になったおじちゃん、おばちゃんと久しぶりに再会したような、そんな愛おしさを覚える胸がキュンとなる映画でもあるんです」と大役を無事に終えた充実した顔で語った。(取材・文/浅見祥子)
映画『デスノート Light up the NEW world』は公開中