「逃げ恥」も絶好調!みんな大好き 俳優・星野源の魅力
“逃げ恥”こと火曜ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」(夜10時~TBS系で放送中)も絶好調の星野源。アミューズと大人計画に所属し、俳優、シンガーソングライター、コラムニストなどマルチの才能を発揮。“元祖・草食系”として特に女性に大人気の星野だが、彼の俳優としての魅力はどこにあるのか?
「タイガー&ドラゴン」(2005)、「未来講師めぐる」(2008)、「11人もいる!」(2011)といった宮藤官九郎脚本のテレビドラマではコミカルな役柄で人気を博す一方、熊切和嘉監督の『ノン子36歳 (家事手伝い)』(2008)では一転してヒヨコを売ってひと山当てようという内向的な若者にふんし、負のオーラを存分に発揮。アニメ映画『聖☆おにいさん』(2013)ではブッダの声を担当し、イエス役の森山未來と絶妙な掛け合いを展開し、舞台・大人の新感線「ラストフラワーズ」(2014)では歌も披露。NHKのバラエティー番組「LIFE!~人生に捧げるコント~」でおなじみのオフビートなコメディーセンス、そして歌って踊れて、作品ごとに軽やかにイメージを変えていく彼のハングリー精神、柔軟さが、多くのクリエイターから求められるゆえんだ。
2012年12月22日にくも膜下出血を発症し、活動を休止する事態に追い込まれるも、復帰後に出演した映画『箱入り息子の恋』(2013)、『地獄でなぜ悪い』(2013)は、日本アカデミー賞新人俳優賞、毎日映画コンクール・スポニチグランプリ新人賞、ヨコハマ映画祭最優秀新人賞、TAMA映画賞・最優秀新進男優賞など、数々の映画賞で新人賞を総なめに。
なかでも、主演作『箱入り息子の恋』では夏帆演じる目の不自由なヒロインと恋に落ちる超草食系の内気な公務員を好演。酒もたばこもやらず、無遅刻無欠勤で毎日判を押したような日々を送り、ペットのカエルとゲームだけが彼の楽しみ。自分の殻に閉じこもった青年が、見合いで人生で初めての恋をし、四苦八苦しながら徐々に変化していくさまには“逃げ恥”とシンクロする要素が多分にある。
2016年にはついにNHKの大河ドラマ「真田丸」に進出。現在、放送中の“逃げ恥”では自称「プロの独身男」のサラリーマン・津崎にふんし、雇用関係を結んだ新垣結衣演じる女性みくりとの契約結婚生活が進行中。「契約」と割り切っていたはずが、第3者の介入や誰かが隣にいる心地よさを経て、恋愛を不要としてきた彼の信条はグラグラ。そんな青年の不器用さが多くの視聴者の共感を得ている。(編集部・石井百合子)