オスカーノミネートの日本人・堤大介監督の短編アニメがシリーズ化決定!
第87回アカデミー賞短編アニメ賞にノミネートされた堤大介とロバート・コンドウの共同監督作『ダム・キーパー』のショートストーリーシリーズ「ダム・キーパーのなかまたち(仮)」が、2017年夏、日本のHuluで配信されることが明らかになった。
『トイ・ストーリー3』『モンスターズ・ユニバーシティ』のアートディレクターを務めた堤とロバートが、ピクサーからの独立後に設立したアニメーションスタジオ「トンコハウス」。『ダム・キーパー』は、トンコハウス製作初作品ながら、サンフランシスコ国際映画祭をはじめ、世界中の20以上の映画祭で受賞した18分の短編アニメーションだ。大気汚染から街を守るためのダムを管理する“ダム・キーパー”のブタ(ピッグ)と、友だちのキツネ(フォックス)を通じて、心の光と闇など、深遠なテーマを静かに切々と描いている。
今回のショートシリーズは、『ダム・キーパー』の世界観はそのままに、ピッグとフォックスの友情を軸とした新たな物語が展開する。その監督を務めるのは韓国出身のエリック・オー。ピクサー時代に『メリダとおそろしの森』等に携わり、『ダム・キーパー』では作画監督を務めた新進気鋭のアニメーターだ。
「僕らは、『エリック・オーのダム・キーパー』が観たいんです」と力説するのは、本作で総監督を務める堤。「トンコハウスが、エリックと一緒にやったら絶対おもしろい」と前々から思っていたそうで、その実現が「とても楽しみです。早くやりたい」と少年のように目を輝かせて笑顔を見せる。
その内容については、「初期段階なので、(細かいことは)まだですけど……」と前置きしてから、「一言でいうと、シュール、ですね」とニヤリ。「僕の息子がもうすぐ5歳になるのですが、そのくらいの子供たちが受け入れるシュールさ」と語る堤総監督は、オー監督の演出手腕に「あのシュールさを出せるのは、うらやましい」とポツリと本音をもらす一幕も。そんなエリック・オーがつむぎ出すシュールな世界が、ネット配信の舞台でどのように広がっていくのか楽しみだ。(取材・文:尾針菜穂子)
短編アニメーション「ダム・キーパーのなかまたち(仮)」は2017年夏からHulu(HJホールディングス)で配信