実写『3月のライオン』神木隆之介、奇跡のシンクロ率!フィクションの申し子の新境地
「神木隆之介自身と(主人公の)桐山零のプロフィールが重なる」(大友啓史監督)。羽海野チカのベストセラー漫画「3月のライオン」の実写映画でプロ将棋棋士の零を演じる神木は原作ファンから熱望されたキャストで、先日そのビジュアルが公開された際には再現度の高さが大反響を呼んだ。そんな神木とキャラクターの外見だけにおさまらないシンクロ率について、メガホンを取った大友監督が語った。
二人は、2014年の『るろうに剣心 京都大火編』『るろうに剣心 伝説の最期編』以来約2年ぶりのタッグ。「今回の役は、神木くん自身のキャリアと見事にハマるのではないかと思います。中学生でプロフェッショナルになった桐山零。一方の神木くんは、中学以前からプロの俳優としてのキャリアを築いてきている。プロフェッショナルになるとはどういうことか? 幼い頃からいろんなことを考え、感じているはずですよ。そのシンクロぶりに自分は興味を持ちましたね」という大友監督の目には、成長するにつれ俳優の道を閉ざされる子役も多い中で、いい仕事に出会い、いい俳優へと成長した神木と、自分には将棋しかないとプロ棋士として生きる零の姿が重なって見えたそう。
「『るろうに剣心』のときに思ったんですけど、神木君はきっと“フィクションの申し子”なんだと思います。呼吸をするように芝居をして、演じることで救われているように見える。誰かの人生を演じることで何か大切なことを発見し、自分が生きていくためのエネルギーをそこに託してきたんじゃないかと思う瞬間が結構あって。あくまで推測ですけどね」。
「彼が(零を)演じて(役と)重なり合うことで、“フィクションの申し子”の実の顔がどこかで覗けないかなという思いがあって撮影をしています」。5月初旬の撮影時には、神木が彼自身と同じく、修羅の道ともいえる厳しいプロの世界に幼い頃から身を置く零を演じることで、今回新たな顔が見えるのではと期待を口にした大友監督。「そういう意味では『桐島、部活やめるってよ』以上のハマり役なのではないかと思います」。最後には、「相変わらず神木隆之介は面白くて、すごくて、刺激的ですね。あまり褒めちゃいけないな(笑)」と笑顔をこぼしていた。
『3月のライオン』は、幼い頃に交通事故で家族を失った心の傷を抱えながらも、中学生で異例のプロ将棋棋士デビューを果たした零が、同じ下町に住む川本家の三姉妹や周囲の人との交流、数々の対局を通して、人間としても棋士としても成長していく姿を描き出す。(編集部・吉田唯)
映画『3月のライオン【前編】』は2017年3月18日、『3月のライオン【後編】』は2017年4月22日より全国公開