『ハリポタ』新シリーズ、堂々1位デビュー!35歳以上のファンが詰めかける
全米ボックスオフィス考
先週末(11月18日~11月20日)の全米ボックスオフィスランキングが発表され、映画『ハリー・ポッター』の新シリーズ『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』が興行収入7,440万3,387ドル(約74億4,033万8,700円)で初登場1位に輝いた。メガホンを取ったのは『ハリー・ポッター』シリーズ後半4作を手掛けたデヴィッド・イェーツ監督で、脚本を執筆したのはこれが脚本家デビューとなる原作者J・K・ローリング。(数字は Box Office Mojo 調べ、1ドル100円計算)
のちにホグワーツ魔法学校の指定教科書となる「幻の動物とその生息地」の著者である魔法動物学者ニュート・スキャマンダー(エディ・レッドメイン)を主人公にした本作。観客構成は18歳以下が18%にとどまった一方、35歳以上は55%となっており、『ハリー・ポッター』シリーズの大人になったファンがそのままメインの客層となったようだ。シリーズ9作中では最低のオープニング興収だが、実際には第5弾『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』(7,710万8,414ドル・約77億1,084万1,400円)および第6弾『ハリー・ポッターと謎のプリンス』(7,783万5,727ドル・約77億8,357万2,700円)とほぼ同等の数字となっている。
このほかの初登場組では、『恋する履歴書』の脚本家ケリー・フレモン・クレイグが監督を務めたコメディードラマ『ジ・エッジ・オブ・セブンティーン(原題) / The Edge of Seventeen』が興収475万4,215ドル(約4億7,542万1,500円)で7位、マイルズ・テラー&アーロン・エッカート共演のボクシングドラマ『ブリード・フォー・ディス(原題) / Bleed for this』が興収236万6,810ドル(約2億3,668万1,000円)で8位デビュー。この3作はいずれも初日の観客から高く評価されている。
また、トム・フォードの監督第2作『ノクターナル・アニマルズ(原題)/ Nocturnal Animals』とケイシー・アフレック主演ドラマ『マンチェスター・バイ・ザ・シー(原題) / Manchester by the Sea』という賞レースに絡んできそうな2作も限定公開。なかでも『マンチェスター・バイ・ザ・シー(原題)』は1館あたり6万4,125ドル(約641万2,500円)を稼ぎ出すヒットで、1館あたりの興収ランキングでは断トツ1位となった。一方、前回限定公開でいいスタートを切ったアン・リー監督の戦争ドラマ『ビリー・リンの永遠の一日』だったが、拡大公開となった今回は数字を伸ばせず苦戦している。
今週末は、ブラッド・ピット&マリオン・コティヤール共演のラブストーリー『マリアンヌ』、ディズニーアニメーション『モアナと伝説の海』、『バッドサンタ』の続編などが公開される。(編集部・市川遥)
11月18日~11月20日の全米ボックスオフィスランキングは以下の通り。()は先週の順位。
1(初)『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』
2(1)『ドクター・ストレンジ』
3(2)『トロールズ(原題) / Trolls』
4(3)『メッセージ』
5(4)『オールモスト・クリスマス(原題) / Almost Christmas』
6(5)『ハクソー・リッジ(原題) / Hacksaw Ridge』
7(初)『ジ・エッジ・オブ・セブンティーン(原題) / The Edge of Seventeen』
8(初)『ブリード・フォー・ディス(原題) / Bleed for this』
9(6)『ザ・コンサルタント』
10(7)『シャット・イン(原題) / Shut In』