レイプクイーンと呼ばれた ロマンポルノ女優の発言に笑い
「日活ロマンポルノ」生誕45周年を記念した「ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」第1弾、『ジムノペディに乱れる』の初日舞台あいさつが26日、新宿武蔵野館にて行われ、主演を務めた板尾創路をはじめ、芦那すみれ、岡村いずみ、風祭ゆき、そしてメガホンをとった行定勲監督が登壇した。
「ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」は「10分に1回の絡み」「70~80分前後の上映時間」「全作品同一製作費」「撮影期間1週間程度」という本家ロマンポルノと同条件のなか、塩田明彦、白石和彌、園子温、中田秀夫、行定勲という5人の監督が性の表現に挑んだ意欲作だ。
行定監督は、主人公である映画監督役に板尾を起用した理由を「映画監督とか作家とかって、作品に携わってないと何をやっているかわからないような存在。板尾さん自身も監督をやられているし、ピッタリだと思った」と説明。板尾は「最初話を聞いたときは、表情は変えませんでしたが『キター』って思いました。台本も面白かったし……」とオファーを受けた理由を語ると、「亡くなった(俳優の)原田芳雄さんの『機会があったらポルノやっとけ』という言葉が心に残っていた」と明かした。
初めての濡れ場でヌードを披露した芦那と岡村について、行定監督は「脱げるか」というストレートな問いに対して、躊躇がなかったことを起用理由に挙げると、「濡れ場だからといって特別な空気にするのが嫌だった。その部分について板尾さんがすごくケアしてくれました」と感謝の意を述べていた。
また、日活ロマンポルノの黄金期を支えた風祭について「特別な方、出演シーンは考えに考え抜きました」と伝説の女優に対して最大限のリスペクトで迎え入れたことを語ると、風祭は「行定監督の作品ということで、お話を頂いたときは『何でもいいから出る!』ってお受けしたのですが、そこまでいろいろと考えていただけていたと聞くと感動しました」としんみりするも、「わたしはレイプクイーンと言われていましたが、初めてレイプを止める役をやらせていただきました」と発言し、会場からは大爆笑が巻き起こった。
最後に板尾は「異性が絡みまぐわう姿はこっけいでもあり、感動的でもあり、いろいろな感情が湧いてきます。普通の映画やテレビじゃできない人間ドラマ。原田芳雄さんがおっしゃっていた意味がわかった気がします」と語っていた。(磯部正和)
映画『ジムノペディに乱れる』は全国順次公開中