アメコミ界の重鎮スタン・リー、93歳で来日!ずっと読み続けて!大人のファンにメッセージ
1日、スパイダーマンを生んだアメコミ界の重鎮スタン・リーが来日会見を行い、自身の仕事や、ベネディクト・カンバーバッチ主演のマーベルスタジオ最新作『ドクター・ストレンジ』(2017年1月27日公開)について語った。
ドクター・ストレンジは、スタンが1960年代にスティーブ・ディッコと共に生み出したキャラクター。満を持しての映画化となり、主演のカンバーバッチについても「100パーセント、完璧だったよ。彼自身も知性的で、いかにも天才外科医といった雰囲気だ。まさに私がオリジナルコミックで描いたイメージどおりに演じてくれた」と手放しで称賛する。
本人いわく約25年ぶりの来日。「日本に来ることができて光栄だよ」と笑顔を見せ、通訳に対して「君の日本語は完璧だね」と語りかけて周囲の笑いを誘う姿は、93歳とは思えないエネルギーに満ちている。いつまでも衰えない元気の秘訣について、「自分がやっていることを、何もかも、心から楽しむことだ」と明かすと、「自分の言っていることがしっかり伝わっているかとか、色んなことを考えながら会見をするのだって、正直に言えば拷問に近い。けれど、それさえも楽しむようにしているんだよ」と笑みを浮かべた。
そんなアメコミ界の重鎮は、日本の漫画文化についても「日本の漫画は、絵に集中している部分が素晴らしい。アメリカンコミックは絵とセリフを平等に扱っていて、その両方がないと成立しない。でも、日本の漫画は絵の力があって、そこに説明としてセリフを加えている点がとても独特だ」と称賛。自身の仕事に対しても今なお精力的で「幸運なことに、キャラクターを生み出すという作業は私にとってとても簡単なこと。仕事じゃなく、まるでゲームをしている感じなんだ。今もいくつか新しいキャラを練っている。みんなが見たこともないようなスーパーパワーを考えているよ」と明かした。
スタンといえばマーベル映画へのカメオ出演でも話題。一番印象に残っているカメオ作品について『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』の名をあげると、「初めて明かすけど、このときのカメオが1番好き。なぜなら、他の作品はワンシーンに出演するだけだったけど、この映画では、ソーからとんでもなく強い酒をすすめられるカットと酔いつぶれて運ばれていくカットの2シーン分、出演できたからさ!」と笑みを浮かべた。
マーベル映画の大ヒットもあり、子供から大人まで幅広いアメコミファンから応援の声を掛けられるといい、「信じられないくらい素晴らしいことだ」というスタン。「いつまでもコミックなんか読んでるな!」と言う大人に対して言いたいことは? と質問されると、「そいつらを連れてきてくれ! 1時間説教してやる!」とジョークを飛ばしつつ、「昔は想像力が阻害されるからコミックを読むな! なんて大人も多かったけど、私はまるで逆だと思っている。どんなものであれ、活字を読むという行為は重要だ。小説でもコミックでも、それは新聞広告であっても関係ない。自分への刺激になるし、脳の活性化にもつながると思っているからね」とコメント。「かつてスティーヴン・スピルバーグが『僕と君のやっていることは同じだよ。ただ僕の絵は動くってだけさ』と言ってくれたことがあったし、シェイクスピア劇だって同じことだ。とにかく大人になっても読み続けてほしいね」と語った。(編集部・入倉功一)