梶裕貴、実写劇場映画で初の吹替主演!ゲイバーの反乱描く
人気声優の梶裕貴が、『インデペンデンス・デイ』のローランド・エメリッヒ監督が1969年に起きた「ストーンウォールの反乱」を基に描いた映画『ストーンウォール』で主人公ダニー(『戦火の馬』のジェレミー・アーヴァイン)の日本語吹き替えを担当したことが明らかになった。実写の劇場映画の上映における吹き替え主演はこれが初めてとなる梶は「うれしい反面、作品のテーマが深く、デリケートなものだと思ったので、役づくりも丁寧にやらなければいけないなと感じました」と真摯にコメントしている。
「ストーンウォール・イン」はニューヨークのクリストファー・ストリートにあるゲイバーで、当時迫害を受けていたLGBTの人々と警察とが衝突した「ストーンウォールの反乱」をもってアメリカにおけるLGBT権利獲得運動が加速することになった。「若い世代に映画をきっかけに広くLGBTやその背景について知ってもらえたら」という配給会社の思いから、ミニシアター系の上映作品としては異例の「吹替版」も制作することになったのだという。
主人公のダニーは、ゲイであることがバレて両親に見放され、恋人のジョーにも裏切られ、追われるように故郷を出た孤独な青年。そんな彼を迎え入れたのは、クリストファー・ストリートで美しさを武器に体を売って暮らすゲイのギャングを率いるレイ(ジョニー・ボーシャン)だった。たくましく生きていく仲間を得たダニーが、この街で身を寄せ合い暮らすゲイやレズビアン、ドラァグクイーンや、活動家のトレバー(ジョナサン・リス・マイヤーズ)との出会いを通じ、少しずつ変わっていくさまが繊細につづられる。
梶はそんなダニーの役づくりについて「誰かを好きだっていう気持ちに性別は関係ないんじゃないのかなと思ったので、一人のダニーという人間の成長、いろんな人と出会って、壁を少しずつ乗り越えていく……その中で恋もして、最終的にストーンウォール事件の一つの歯車となって、大きなものを乗り越えていく、変えていくっていう、そういうところを意識して演じさせていただきました」と説明。主人公エレンの声を務めた「進撃の巨人」が普段はアニメを観ない人々にも広く親しまれたことに触れ、「逆にこの『ストーンウォール』という作品がなかなか実写映画、吹き替えをご覧にならない方々にとってのきっかけになってくれたらうれしいなと思います」と呼び掛けた。
公開初日となるクリスマスイブには、梶が登壇する舞台あいさつも予定されている。(編集部・市川遥)
映画『ストーンウォール』(字幕版・吹替版)は12月24日より新宿シネマカリテほか全国公開 初日舞台あいさつ回のチケットは12月19日正午より先行販売